2019年上半期に公開されたおすすめ映画まとめ。
今回は1月から6月に見た新作映画についてまとめてみようと思います。
最近はあまり映画レビューを書いていないですが、地味に前より見ています。なので見た映画全作についてざっくりと書いてみました。いつもは映画一本につき2000字以上書くけど、今回は友達と飲みに行ったときに「どうだった?」と聞かれて一言で言い表すような感じで書きました。適当なやつは超適当です笑
というわけで書いていきます。数え間違えてなければ42本見ました。
※引用部分はすべて映画.comからの引用です。
▷ 新記事 2019年映画総まとめ・2019年見た新作映画100本からベストテン&50を考えて振り返ってみる。
Contents
- 1 2019年1月〜3月に見た新作映画まとめ
- 2 4~6月見た新作映画
- 2.1 バジュランギおじさんと、小さな迷子
- 2.2 LEGOムービー2
- 2.3 バイス
- 2.4 バーニング 劇場版
- 2.5 ハロウィン
- 2.6 シャザム!
- 2.7 ある少年の告白
- 2.8 アベンジャーズ/エンドゲーム
- 2.9 愛がなんだ
- 2.10 ビューティフル・ボーイ
- 2.11 魂のゆくえ
- 2.12 ドント・ウォーリー
- 2.13 アメリカン・アニマルズ
- 2.14 僕たちのラストステージ
- 2.15 名探偵ピカチュウ
- 2.16 神と共に 第一章・罪と罰
- 2.17 Godzilla: King of the Monsters
- 2.18 ウィーアーリトルゾンビーズ
- 2.19 プロメア
- 2.20 アラジン
- 2.21 主戦場
- 2.22 神と共に 第二章・因と縁
- 2.23 新聞記者
- 3 個人的トップ10とおすすめ
2019年1月〜3月に見た新作映画まとめ
『クリード炎の宿敵』
「ロッキー」シリーズを新たな主人公アドニスの物語として復活させ、世界中で好評を博した「クリード チャンプを継ぐ男」の続編。「ロッキー4 炎の友情」で、アドニスの父であり、ロッキーの盟友だったアポロ・クリードを葬ったイワン・ドラコの息子ヴィクターが登場し、アドニスが因縁の対決に挑む姿を描く。
ロッキーの指導の下、世界チャンピオンに上り詰めたアドニスは、かつて父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子ヴィクターと対戦することになる。ヴィクターの反則行為により試合には勝利したものの、納得のいく勝利を飾ることができなかったアドニスは、心身ともに不調に陥ってしまう。やがて婚約者のビアンカが出産して父親になったアドニスは、ロッキーから父親という存在の大切さを諭され、しばらく一線から遠のくことに。しかし、「ボクシングこそが自分そのもの」と気づいたアドニスは、ヴィクターとの再戦を決意する。
前作では親の七光りと揶揄されてチャンピオンになったアドニス・クリードがドラゴの息子にめちゃくちゃにやられる。絶望を味わったクリードが死に物狂いでトレーニングに励みドラゴを倒そうとするが、ドラゴはもっと陰惨で絶望的な過去を歩んでいた。
シリーズで一番好きかもしれない。前作よりもクリードに感情移入させられるし、ドラゴに関してはもっとさせられる。燃える作品です。
『ファースト・マン』
▷ ファースト・マン
「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングのコンビが再びタッグを組み、人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いたドラマ。ジェームズ・R・ハンセンが記したアームストロングの伝記「ファーストマン」を原作に、ゴズリングが扮するアームストロングの視点を通して、人類初の月面着陸という難業に取り組む乗組員やNASA職員たちの奮闘、そして人命を犠牲にしてまで行う月面着陸計画の意義に葛藤しながらも、不退転の決意でプロジェクトに挑むアームストロング自身の姿が描かれる。
『ダンケルク』みたいな映画。コアな映画ファンの心は掴んだものの誰にでも分かりやすい作品になっていない。それでいて宇宙飛行シーンはアトラクション性を重視している少々歪な作品。
『ダークナイト』&『インセプション』でファンになったけど『ダンケルク』であれ?ってなった人がまたも困惑しそう。個人的に通常の映画館で見るには物足りない作品だなと思った。ドルビーシネマで見たかったです。
『アクアマン』
▷ アクアマン
DCコミックス原作のヒーローで、「ジャスティス・リーグ」にも参戦したアクアマンを主役に描くアクション大作。海底に広がる巨大な帝国アトランティスを築いた海底人たちの王女を母に持ち、人間の血も引くアクアマンは、アーサー・カリーという名の人間として地上で育てられた。やがて、アトランティスが人類を征服しようと地上に攻め入り、アクアマンは、アトランティスとの戦いに身を投じていく。
王道エンタメ。宝探しと怪力アクションと子供が好きそうなものを詰め込んだ家族映画。
バカの『シェイプ・オブ・ウォーター』って感じでよかった。
『メリー・ポピンズ リターンズ』
アカデミー賞5部門に輝いた1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の20年後を描いた続編。大恐慌時代のロンドン。バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、かつて父や祖父が働いていたロンドンのフィデリティ銀行で臨時の仕事に就いていた。しかし現在のバンクス家に金銭的な余裕はなく、さらにマイケルは妻を亡くしたばかりで家の中も荒れ放題。そこへ追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥ってしまう。そんな彼らの前に、あの「ほぼ完璧な魔法使い」メリー・ポピンズが風に乗って舞い降りてくる。
『フォースの覚醒』みたいな映画だけど『フォースの覚醒』に比べて面白くない!
『メリー・ポピンズ』公開の数年後に作られた63点くらいの続編みたいな作品を、現代の技術を駆使して作品の魅力を現代に完全に蘇らせたみたいな映画。脚本に粗があるけどこの世界観を劇場で体験するだけで涙が流れそうになった。
『女王陛下のお気に入り』
「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」で注目を集めるギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の入り乱れる愛憎を描いた人間ドラマ。
(中略)
18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。女王アンの幼なじみレディ・サラは、病身で気まぐれな女王を動かし絶大な権力を握っていた。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイルが宮廷に現れ、サラの働きかけもあり、アン女王の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするアビゲイルだったが……。
隠し味ににんにくとブルーチーズを入れようとして結果、明らかに入れすぎてクセが強くなったフランス料理みたいな作品。上品な作品の多い宮廷ドラマジャンルなのに変態が監督することによってとんでもない方向に向かっていた。見るからにやべえ奴が変なパスタの食い方するシーンが一番の見せ所という奇妙な前作と同じく、やる気のない手○○シーンに笑わせられる。レイチェル・ワイズの妖艶さに驚く。
『THE GUILTY ギルティ』
電話からの声と音だけで誘拐事件を解決するという、シンプルながらも予測不可能な展開で注目され、第34回サンダンス映画祭で観客賞を受賞するなど話題を呼んだデンマーク製の異色サスペンス。過去のある事件をきっかけに警察官として一線を退いたアスガーは、いまは緊急通報指令室のオペレーターとして、交通事故の搬送を遠隔手配するなど、電話越しに小さな事件に応対する日々を送っている。そんなある日、アスガーは、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受ける。車の発進音や女性の声、そして犯人の息づかいなど、電話から聞こえるかすかな音だけを頼りに、アスガーは事件に対処しなければならず……。
例えば絵が少しだけしかなく、代わりに文が詩的で非常に美しい絵本をみたとき、どういう感想を抱くのか。
「心打たれる文章に感動した!」となるのか、「絵本読んだ気にならねえ……。」となるのか。個人的には後者だった。
また思ってたよりサスペンスな感じではなくて、この手の映画では『Search/サーチ』のほうが圧倒的に好きだなあという感じですね。はい。
『天才作家の妻』
▷ 天才作家の妻
ベテラン女優グレン・クローズが、世界的作家の夫を慎ましく支えてきた妻に扮し、夫婦の絆や人生の意味とは何かを描いたヒューマンドラマ。主人公ジョーンを演じたクローズは第91回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされ、クローズ自身にとって7度目のアカデミー賞候補になった。
ノーベル文学賞受賞した天才作家の妻が主人公。
多分これあらすじとか調べずにみたほうが面白いよ。何も知らない状態で頭空っぽにしてストーリーと演技を楽しみたい作品。
『サムライマラソン』
▷ サムライマラソン
外国の脅威が迫る幕末の世。安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるため、15里の山道を走る遠足を開催することに。しかし行き違いによって幕府への反逆とみなされてしまい、安中藩取り潰しを狙う刺客が藩士不在の城に送り込まれる。遠足参加中に藩の危機を知った安中藩士の唐沢甚内は、計画を阻止するべく走り出す。
ある映画ライターさんが絶賛していたので見に行ったら「ん??????」ってなった作品。
端的に言ってとっちらかっている。生ハムメロンのような珍味として楽しもうにも、明らかに美味しいとは言い難い味をしている作品。
死体にカマキリが這ったりなど面白いシーンはあるものの、総じてガタガタなのは否めない。竹中直人が竹中直人でしかなかったけど、全然馴染んでない。
すべてがとっちらかっているような感じになっているのに『華麗なる一族』のテーマみたいな荘厳な曲が流れつつエンディングを迎えて、「いい映画だったのか?」と思わせるも「やっぱりとっちらかってるよね?」ってなるエンドロール。そして無理やりオリンピックの映像につながる。なんなんだこれは。
『斬、』
▷ 斬、
「野火」「六月の蛇」の塚本晋也監督が、池松壮亮と蒼井優を迎えて描いた自身初の時代劇。250年にわたって続いてきた平和が、開国か否かで大きく揺れ動いた江戸時代末期。江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄される浪人の男と周囲の人々の姿を通し、生と死の問題に迫る。
東京旅行で行ってみたかったユーロスペースでやってたしせっかくなので見たんだけど生半可な気持ちで見に行くべきじゃなかったね。『野火』の監督の最新作だということを完全に忘れていた。『るろうに剣心』みたいな話かと思いきやストーリーが思わぬ方向に。とにかく音がすげえので劇場でみておいてよかった。
『ROMA/ローマ』
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ。キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した。
ド肝を抜かれるほどではないものの、恐ろしく美しいモノクロ映像が続く作品。
まあ、スピルバーグがネトフリ作品を締め出したい気持ち、わからなくもないんだよね。スマホで最新のアカデミー作品賞最有力候補が見れるってのはかなり複雑な気持ちだった。スマホの画面で、電車とかランチの待ち時間に分割して見たんでね。
実際スマホで見ても美しいシーンは非常に美しかったけど、あまり良さを体感できなかった。見逃さなければスクリーンでも見ようと思います。
あと電車で見始めたらいきなり全力のフルチンが流れたからびっくりしたぞ。後ろの人に見えないように超配慮したぞ。
『スパイダーマン:スパイダーバース』
時空が歪められたことにより、異なる次元で活躍するスパイダーマンたちが集められた世界を舞台に、主人公の少年マイルスがスパイダーマンとして成長していく姿を描いた長編アニメーション映画。ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーと出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。
フィル・ロード×クリス・ミラー製作の最新作は、彼らの代表作で、2010年代アニメーションの隠れた大傑作だった『LEGOムービー』をそのままアップデートしたような作品。革命的映像とギャグがノンストップで繰り広げられる『LEGOムービー』のLEGOをアメコミに置き換えて、もっと凄くした紛うことなき神映画。
とはいえど『LEGOムービー』好きな僕としては、ストーリー面などで『LEGOムービー』とは違うひねりが加わってたらよかったかなと。それさえあればアニメ映画オールタイムベストでぶっちぎり1位になってたかも。
※今(2019年7月現在)『LEGOムービー』がAmazonプライム会員なら特典で見れるようです。まだ見てない方は見てください!
『アリータ:バトル・エンジェル』
木城ゆきとによる日本のSF漫画「銃夢(ガンム)」を、同作の映画化を長年にわたり熱望していたジェームズ・キャメロンの脚本・製作により、ハリウッドで実写映画化したアクション大作。監督は「シン・シティ」のロバート・ロドリゲス。
(中略)
数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。
なんか期待以上にジェームズ・キャメロンの新作感あった。それでいて日本の良質なコミックが原作。なので脚本がベタな『アバター』とかより完成度が高い。
とはいえど最後詰め込みすぎでしょ。さすがにこれは……。どうにかならなかったのかといいたくもなる。最後30分削って違う部分にもっと力入れてたら、どう考えてももっと完成度の高い作品になったはず。
『運び屋』
▷ 運び屋
巨匠クリント・イーストウッドが自身の監督作では10年ぶりに銀幕復帰を果たして主演を務め、87歳の老人がひとりで大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をもとに、長年にわたり麻薬の運び屋をしていた孤独な老人の姿を描いたドラマ。家族をないがしろに仕事一筋で生きてきたアール・ストーンだったが、いまは金もなく、孤独な90歳の老人になっていた。商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れていたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、簡単な仕事だと思って依頼を引き受けたが、実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。
家庭より仕事を優先した男の贖罪。イーストウッドの人生を描いたような作品。思ってたよりライトかつコメディタッチで、テーマがすっごくわかりやすい作品。まあでも『グラン・トリノ』のほうが好きだわ。
あと90歳の爺さんが模範的なドライバーとして成立しているアメリカ社会に驚いた。ボケた爺さんが免許切れてるのにトラック乗り回して問題になってる俺の地元とは大違いだ。
『グリーンブック』
▷ グリーンブック
1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。
今年のアカデミー賞で作品賞を受賞したドラマ映画。
よくできた映画なのは間違いない。ただ、この作品の情報を聞いてイメージする「お下劣コメディの中に差別問題を盛り込むことで有名なピーター・ファレリーが、黒人差別問題についてのシリアスなドラマを、万人受けにファミリーで見ても楽しめるように作ったドラマ映画」というものを超えてこないかなと。ポリティカル・コレクトネスに十分配慮して昔ながらのバディ・ムービーを作っただけの感じがする。
題材が変革的なのにスタンダードすぎて、あまり期待しすぎずに見たけど期待通りだったかな。題材が題材なんだしもっと冒険して欲しかった。
▷『グリーンブック』で描かれるフライドチキンと黒人差別の関係性
『サスペリア』
▷ サスペリア
映画史に名を刻むダリオ・アルジェントの傑作ホラーを、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が大胆にアレンジし、オリジナル版とは異なる視点から新たに描いた。1977年、ベルリンの世界的舞踊団「マルコス・ダンス・カンパニー」に入団するため、米ボストンからやってきたスージー・バニヨンは、オーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大きな役を得る。しかし、マダム直々のレッスンを受ける彼女の周囲では不可解な出来事が続発し、ダンサーたちが次々と謎の失踪を遂げていく。一方、患者だった若きダンサーが姿をくらまし、その行方を捜していた心理療法士のクレンペラー博士が、舞踊団の闇に近づいていくが……。
ピナ・バウシュとヴィクター・クレンペラーとバーダー・マインホフとその他もろもろについて知っておかないと完全に理解できない、解説聞いてから見るべき超難解映画。『アンダー・ザ・シルバーレイク』を青の映画とすると本作は赤の映画かな。雰囲気がかなり似ている。ほんとにわけわからん。
ただ、もとの『サスペリア』と比較するとリメイク版のほうが評価されるのもわかるし、どちらかというと僕もリメイク版のほうが好き。この前オリジナル版『サスペリア』見たけどリメイク版と比較すると内容が薄すぎてびっくりした。
『キャプテン・マーベル』
マーベルコミックが生んだヒーローが結集する「アベンジャーズ」シリーズに連なる「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の一作で、MCUでは始めて女性ヒーローが単独で主役となったアクションエンタテインメント。アベンジャーズ結成以前の1990年代を舞台に、過去の記憶を失った女性ヒーロー、キャプテン・マーベルの戦いを描く。1995年、ロサンゼルスのビデオショップに空からひとりの女性が落ちてくる。彼女は驚異的な力を持っていたが、身に覚えのない記憶のフラッシュバックに悩まされていた。やがて、その記憶に隠された秘密を狙って正体不明の敵が姿を現し……。
2019年一発目のマーベル映画は『遊星からの物体X』的なシチュエーションで主人公の過去の記憶を探求するサスペンス。町山さんの解説を聞いて知ったけど、映画好きほど騙されるような脚本になっていてうまい。そして現代を象徴するテーマもうまく盛り込まれている。
非常に良く出来た作品ではあるものの、アクション面でのカタルシスが昨今の傑作よりも見劣りしている印象。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス』や『マイティ・ソー バトルロイヤル』で描かれたアクションシーンに比べて爽快度があまりなかった。『ワンダーウーマン』のときに感じた、褒めたいのに完璧だとはいいがたいもどかしさがフラッシュバックした。
『ブラック・クランズマン』
黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」潜入捜査した実話をつづったノンフィクション小説を、「マルコムX」のスパイク・リー監督が映画化。1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていたKKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎ着けてしまう。しかし黒人であるロンはKKKと対面できないため、同僚の白人刑事フリップに協力してもらうことに。電話はロン、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じながら、KKKの潜入捜査を進めていくが……。
往年のブラックスプロイテーション映画を踏襲して作られたエンタテインメント。
『グリーンブック』よりも断然好き。テーマもわかりやすくて面白い上、メッセージ性が強烈でエネルギッシュ。
『ジャンゴ 繋がれざる者』や『バース・オブ・ネイション』などといった、昨今作られた黒人差別がテーマの作品に対するスパイク・リーからのアンサーのようになっていて、「俺が全力でつくってやるよ!!!」って思いながら撮ったような疾走感があって好き。
ラストが賛否両論呼んでるけど絶対必要だと思います。だってあれなかったらスカッとして終わるだけじゃん。
『ビール・ストリートの恋人たち』
「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督が、1970年代ニューヨークのハーレムに生きる若い2人の愛と信念を描いたドラマ。ドキュメンタリー映画「私はあなたのニグロではない」の原作でも知られる米黒人文学を代表する作家ジェームズ・ボールドウィンの小説「ビール・ストリートに口あらば」を映画化し、妊娠中の黒人女性が、身に覚えのない罪で逮捕された婚約者の無実を晴らそうと奔走する姿を描いた。
非常にアーティスティックな『ムーンライト』監督の新作。
凄惨な差別も描かれるが、見ているだけで愛おしい2人のカップルを『ムーンライト』ばりの美しい映像で描いているため心地よい。テーマは重苦しいが純粋なラブストーリーとして楽しめる。『ムーンライト』だけでなく、似たような戯曲の映画化作品、『フェンス』とかよりも自分好み。まあでもテーマがテーマなので辛いものは辛い。
『金子文子と朴烈』
▷ 金子文子と朴烈
大正時代の日本に実在した無政府主義者・朴烈と日本人女性・金子文子の愛と闘いを、「王の男」「ソウォン 願い」のイ・ジュニク監督、「高地戦」「建築学概論」のイ・ジェフン主演で描いた韓国映画。1923年の東京。朴烈と金子文子は、運命的とも言える出会いを果たし、唯一無二の同志、そして恋人として共に生きていくことを決める。しかし、関東大震災の被災による人びとの不安を鎮めるため、政府は朝鮮人や社会主義者らの身柄を無差別に拘束。朴烈、文子たちも獄中へ送り込まれてしまう。社会を変えるため、そして自分たちの誇りのために獄中で闘う事を決意した2人の思いは、日本、そして韓国まで多くの支持者を獲得し、日本の内閣を混乱に陥れた。そして2人は歴史的な裁判に身を投じていく。
いつも通りのレベル高い韓国映画。
バカが韓国or日本の国民性どーたらとかで片付けないように配慮された脚本が素晴らしい。
主題は日韓アナーキストの国境を超えた恋愛。だが、フェイクニュースと政府による隠蔽という、日本にとって非常にタイムリーなテーマも描かれていて驚く。現代日本と共通点が非常に多い。近代日本で起こった、現代を彷彿とさせる歴史修正主義とレイシズムを、丁寧に見せていく。
ただ、低能ネトウヨだけでなく左のバカも精神的に殺す感じがよかった。
あの頃のフェイクニュースは今の時代のそれよりも明らかにひどく、「インターネットのせいでフェイクニュースが」とか「昔はよかった」とかいってグチグチ文句言ってる低能テクノフォビア共産主義者もぶん殴ってる。キ○ガイというフレーズが連呼されるから厳しいだろうけど学校の授業で見せるべき。
4~6月見た新作映画
バジュランギおじさんと、小さな迷子
インド人のバジュランギおじさんと、インドに迷いこんだパキスタン人の女の子シャーヒダー(ムンニー)が2人でパキスタンへと向かうロードムービー。
パキスタンに迷子の女の子を送り届けるインド人というリアリティのない話(日本と北朝鮮みたいなもんだからね)を、リアリティを度外視してドラマチックに描く感動的なファンタジー。セルフィーの曲の中毒性の高さは異常。
LEGOムービー2
『LEGOムービー』のその後を描く続編。『LEGOムービー』を見ていなくてもだいたい分かるだろうけど重大なネタバレが含まれるので先に見ておいたほうがいい。
『スパイダーマン:スパイダーバース』が完全にレゴ・ムービー2.0とでも言うべき作品だったものの、ギャグが洪水のように繰り出される『LEGOムービー』らしさを突き詰めている正当な続編で、それなりに完成度が高い作品にはなっていた。だが、1作目を圧倒するような作品にはなっておらずまずまず合格点レベルの続編という感じがする。
明らかにギャグが映画秘宝とか読んでる大人しか理解できないものばかりなので子供だけで見るべき作品ではない。
バイス
▷ バイス
ジョージ・W・ブッシュの下で副大統領を務めた「アメリカ史上最凶の副大統領」、ディック・チェイニーをコメディタッチで皮肉たっぷりに描く伝記映画。肉体改造で役作りすることで知られるクリスチャン・ベイルがバットマンとはかけ離れたデブのハゲオヤジを演じる。
監督の前作、『マネー・ショート』のほうが映画的な面白さは上だったなあ。加えて結構勉強して見ないとよくわからないと思う。まあそもそも笑うに笑えない現実をシニカルに描いたブラックコメディなので、笑うに笑えない。完全に傀儡でしかないブッシュ(激似)がちょっとかわいそうになってくる。
バーニング 劇場版
▷ バーニング劇場版
アルバイトで生計を立てている小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然再会する。ヘミがアフリカ旅行へ行く間、ジョンスは彼女の飼い猫の世話を頼まれる。旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合った謎めいた金持ちの男、ベンをジョンスに紹介する。ベンはある日ジョンスに「僕はビニールハウスに放火するのが趣味なんだ。もうそろそろ近くにあるビニールハウスを燃やす予定だ。」と告げる。ジョンスは不安になって周囲のビニールハウスを見て回るようになるが、その日を境にヘミは行方をくらましてしまう。
名匠イ・チャンドンの最新作で、村上春樹の『納屋を焼く』とウィリアム・フォークナーの『納屋を焼く』をミクスチャーさせた作品。難解っちゃ難解。だけど何も考えずに見てもよさのわかりやすい作品。長尺なのに全くダレないし見ていて心地良い。
あとNHK放送時の吹き替えが主人公柄本時生と知ってそんままだな!と思った。
ハロウィン
▷ ハロウィン
ジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』の続編を『エイリアン2』的に撮った作品。以前はブギーマンから必死に逃げていたヒロインが40年間ブギーマンをぶっ殺すために綿密に計画。フル装備でブギーマン狩りに挑む。
「ノスタルジー」の作品。『フォースの覚醒』や前述の『メリーポピンズ・リターンズ』的な映画で、『ハロウィン』の世界観を劇場で再び体感したい人向けの作品。
非常に完成度は高いものの、「ハロウィン版エイリアン2」でしかなく、ただ楽しいだけの作品になっている。ラストも予想通りで予想を超える展開をしない。そもそもこの手のホラー映画の楽しみ方はそういうものなんだろうけど、物足りなさを感じる。
あと一番ムカつくやつがブギーマンに殺されてない気がするんだけど気のせい?そういうところで予想を裏切ってほしくないんですが......。
シャザム!
▷ シャザム!
14歳の少年がふとしたことから大人の体のスーパーヒーローになる力を得る。そんな彼に、力を得ることができずにコンプレックスを抱えていた凶悪なドクター・シヴァナが立ちはだかる。
傑作。shit holeと揶揄される孤児たちがドナルド・トランプのような悪をなぎ倒す。『キャプテン・マーベル』と同時期に公開されたのが奇跡的。
むしろベタなアメコミコメディアクションであることが斬新なDCユニバースにとって『ダークナイト』以降の作品で最高傑作なのは間違いない。差別されてきたものがスーパーヒーローになる映画だが、終盤それが感極まるシーンがあり泣きそうになった。テーマ曲も好き。
ある少年の告白
▷ ある少年の告白
牧師の父のすすめで同性愛を「治す」ためにセミナーに通うことになった少年の告白。同性愛を完全悪として、悪魔を退治するように教会から虐待を受ける子どもたちの姿に衝撃を受ける。
見たとき体の調子がものすごく悪くて凄まじい尿意を我慢して見た結果そこまで印象に残っていない笑
アベンジャーズ/エンドゲーム
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーの続編で、フェイズ1から続くシリーズの集大成。
ドナルド・トランプ(ビフ・タネン)がむちゃくちゃにした世界を取り戻せ!
アベンジャーズシリーズで『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2』をやって歴史を修正する。
まあ130点満点で103点くらいあって必然的に今年1位になってしまうようなそんな映画でしたね。
愛がなんだ
▷ 愛がなんだ
猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い恋に落ちたテルコ。その時から、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。マモちゃんのために仕事をやめてすべてを尽くす。だがマモちゃんには恋愛感情なんてない。ただの都合のいい女としか見られていない。そんなマモちゃんは全くテルコに連絡してこなくなり、久しぶりにしてきたかと思うとテルコに好きな女性を紹介してきた。
この作品について語ると自分が片思いしたときにどんな感じになるのかが丸わかりになるのでなんか恥ずかしいんですが(笑)かなり共感しましたね。リアリティの強い『勝手にふるえてろ』という印象。「愛とはなんだ?」と自問自答してしまう映画。一途な岸井ゆきのの可愛さにひたすら癒やされるが、ぐさっとくるシーンの連続。
ビューティフル・ボーイ
薬物ダメ絶対映画。普段大麻解禁のニュースなどで軽く考えてしまいがちなドラッグ問題について真剣に考えさせられた。
ティモシー・シャラメ演ずる息子よりむしろ父のスティーブ・カレルに共感することのほうが多く、同じ過ちを繰り返す息子の理解に苦しむ様を体感する。
中学とかで見せるのに一番よさげな内容なのになんでこれ15禁なの?
魂のゆくえ
▷ 魂のゆくえ
ポール・シュレイダーが自身の研究『聖なる映画』での分析をフルに活かした集大成。
小津安二郎やロベール・ブレッソン的な「聖なる表現」、すなわちカメラがほとんど動かないストイックな映像がずっと続いた後、最後の最後でカメラが動き回ることで解放されるという撮影法で撮影されている。
カメラワークは小津安二郎で、ストーリーは監督の代表作(脚本として)『タクシードライバー』みたいだなあと思いつつも圧倒的な映像美には度肝を抜かれる。ただ「聖なる表現」、ほとんど動いていなかったカメラが最後の最後でぐるぐる回りだしたとき、解放というよりもむしろ恐怖を覚えた。
ドント・ウォーリー
風刺漫画家ジョン・キャラハンの半生を描いた伝記映画。オレゴン州ポートランドで酒びたりの毎日を送っていたキャラハンは、飲酒が原因の自動車事故により胸から下が麻痺、車いすでの生活を余儀なくされる。より酒に溺れるようになったキャラハンは周囲の人びととも衝突し、自暴自棄な日々を送っていたが、悔い改め禁酒するように努めるようになる。
断酒会の伝道師のジョナ・ヒルによる教えを実行し今まで関わった人に謝り許したりなど、自己啓発セミナー感のある映画。ふーんで終わるんだよなあ。ルーニー・マーラはいつもどおりかわいい。
アメリカン・アニマルズ
ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとその悪友スペンサーは、くだらない日常に辟易していた。ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出し大金持ちになる計画を思いつく。
この作品は事実を基にした作品ではない。事実だ。
オーデュボンの画集を盗んで一攫千金を得ようとした大学生たち。再現ドラマの間に出所後の彼らが実際に出演して当時を語りだす。そして彼らの証言を挟みつつ強盗するに至った経緯が描かれる。
観客に強盗の一員になったかのような体験をさせる新感覚ムービー。計画遂行時にとんでもないヘマをやらかしホラー映画よりも怖い展開をする。かなりよくできた作品。
僕たちのラストステージ
映画史に残るコメディアンコンビ・ローレル&ハーディの伝記映画。名前だけは知ってるけど映画を見たことないというような状態でも楽しめた。後に代表作の『極楽ピアノ騒動』などの作品を見たら、本作がどういった感じでギャグを引用しているのかが分かって面白かった。(『極楽ピアノ騒動』は階段のくだりなど。)
舞台経験者にもおすすめな作品。
▷ 映画館を巡る旅4・観光しない大阪京都(『ローレル&ハーディ トーキー短編集』を見に行った旅行記)
▷ プラネット・プラスワン映画館情報(『ローレル&ハーディ トーキー短編集』を見た劇場)
名探偵ピカチュウ
▷ 名探偵ピカチュウ
もふもふのピカチュウがかわいい
思いの外楽しめるけどストーリーのおもしろさに期待しすぎてはいけない。加えて悪役があまりにもアホすぎる。ツッコミどころが多く悪い意味で日本映画的なハリウッド映画だった。
あと主人公は〇〇の声くらい聞き覚えなかったのか?!
神と共に 第一章・罪と罰
人間は死後、49日間に7つの地獄の裁判を受けなければならず、すべてを無罪で通った者だけが現世に生まれ変わることができる。
ある日、職務中になくなった消防士ジャホンの前に、冥界からの使者ヘウォンメクとドクチュン、カンニムが現れる。生前の善行が認められ、「貴人」として転生を確実視されたジャホンは冥界からの使者と共に地獄を巡ることになる。
地獄めぐり裁判の映像の力がすごい。嘘ついたりズルしたらこんな世界が待ってると思うともう俺も真面目に生きなきゃいけないなと思ったよ。
Godzilla: King of the Monsters
ゴジラ・モスラ・ラドン・キングギドラが大集結。そもそも怪獣映画がそこまで好きじゃないけどまあまあ楽しめた。ただベストに入れる気は起こらない。
ゴマすりクソバードの全力のゴマすりには笑いそうになった。
ウィーアーリトルゾンビーズ
両親を亡くしても泣けなかった。ゾンビのように感情を失った4人の子どもたちがRPGのように冒険をする。行き場のなくなった子どもたちはバンドを組み、ゴミ捨て場のゴミを集めて演奏するが、その映像はまたたく間にバズり社会現象化する......。
中島哲也的な世界観に好き嫌い分かれるだろうなあと思いつつゲーム的な世界観に感心しつつ見入っていた。だが中盤の起承転結でいう「転」あたりからダレ、終盤は「え?」ってなってしまうような展開をしてとっちらかったまま終わった感じがして残念だった。
ただ表題曲、エンディング曲の中毒性は異常に高い。カルト映画化はしそう。中盤以降がまとまっていて序盤と同じテンションでエンディングを迎えたら大カルト映画になってただろうになあという印象。
あと見た誰もが思うことだろうけど、イクコ役の中島セナはこれから大化けするでしょう。
プロメア
突然変異で誕生した炎を操る人種「バーニッシュ」の出現したのをきっかけに、普通の人間とバーニッシュが分断される世界が舞台。一部の攻撃的なバーニッシュが「マッドバーニッシュ」を名乗り、テロ活動を行っていた。対バーニッシュ用の高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」の新人隊員ガロは、マッドバーニッシュのドンであるリオと対峙することになる。
和製スパイダーバースともいうべき映像が続く作品で普通におもしろいけど、そこまで印象に残らない。かなり完成度が高くて面白い映画体験はできたと思ってもベストに入れるほどでもないよなあと思ってしまうような感じ。そこまで印象に残らないのはあまりにも物語が単純でベタすぎるからか。
アラジン
▷ アラジン
かなり危険な案件だと思っていたガイ・リッチー版アラジンは思いのほか完成度が高かった。
ここまで監督の特色がうまく溶け込んだディズニー作品はあまりない。アラジンとジーニー、ジャスミンと新キャラのダリアという、二人のブロマンス的な同性同士の友情を描くというガイ・リッチーらしさがうまく組み込まれている。加えて現代ナイズされたストーリーの変更点も概ねプラスにはたらいている。アニメ版よりも随分と小悪党みの増したアラジンに最初は驚いたものの総合的には満足。
エンタメ性の高いディズニー実写作品として成功させるにはアーティスティックな作品で評価された監督よりも、バカ映画ばかり作っているガイ・リッチーとかのほうが向いているんじゃないかと思った。
ナオミ・スコットのジャスミンがとにかく素晴らしい。歌声も、新曲も。
主戦場
従軍慰安婦問題の右派の欺瞞を外国人監督が斬る。
案外マイケルムーア的なドキュメンタリーとして楽しめる。まあ一番見るべき人は見ないんでしょうけど。こういう映画を見る人の大多数が『ファクトフルネス』を読もうとしないのと同じように。
神と共に 第二章・因と縁
『神と共に』の二作目。ラブリーなマ・ドンソクのえらくローカルな話と使者のえらく壮大な話が並行して描かれる。
第一作が面白かったからといって期待しすぎないほうがいいかも。タイプ的には全然違う話でストーリー的にはどう考えても一作目のほうが面白い。ただ第一章見た人は見ておいた方がいいと思う。
新聞記者
東京新聞の記者、望月衣塑子氏の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描き出した作品。東都新聞の記者、吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。一方、内閣情報調査室に務める官僚、杉原は政権を揺るがす事件をもみ消すためのフェイクニュースの作成を上から命じられており、日々葛藤していた。
こういう作品は社会的意義と完成度がごっちゃになりがちなので非常に注意深く扱わなければいけないものの公文書改ざん問題を風化させまいという強い意志を感じた。韓国のポリティカルエンターテイメントには及ばないという声もあるけど、非常に攻めた内容の作品がリアルタイムで公開されているのには関心した。陰謀論めいた結論など残念な点もあるものの衝撃は強かった。
個人的トップ10とおすすめ
個人的におすすめなのは、
①アベンジャーズ/エンドゲーム
②スパイダーマン:スパイダーバース
③愛がなんだ
④シャザム!
⑤新聞記者
⑥ブラック・クランズマン
⑦クリード 炎の宿敵
⑧神と共に
⑨魂のゆくえ
⑩バーニング 劇場版
って感じです。
その他おすすめが
僕たちのラストステージ
バジュランギおじさんと、小さな迷子
アメリカン・アニマルズ
アラジン
女王陛下のお気に入り
ビール・ストリートの恋人たち
金子文子と朴烈
運び屋
LEGOムービー2
アクアマン
って感じですかね。まあでも、『サムライマラソン』以外全部面白いですよ。『サムライマラソン』はある意味面白い枠ですね。ほとんど、見て損はない作品です。
▷ 2019年映画のおすすめベストテンとランキング50|2019年映画を振り返る