「スパイダーマン:スパイダーバース」評価&感想|「レゴムービー2.0」

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今年のアカデミー賞で長編アニメーション部門を受賞した「スパイダーマン:スパイダーバース」が、3月1日〜3日にIMAX先行上映、8日から公開されます。先行上映でIMAX版を見たので感想を書いておきます。「女王陛下のお気に入り」、「サムライマラソン」、「ギルティ」についても書こうと思ってるんですがあまり筆が進んどりません。なんかすいません。

ですがこの前先行で見た「スパイダーマン:スパイダーバース」は絶対書いといたほうがいいよなあと思ったので、まずこっちを先に書きます。もう見た瞬間「面白い〜〜〜〜〜」ってなったんですよね。せっかく博多に行って見たんだし書いておきます。

「スパイダーマン:スパイダーバース」とは

「スパイダーマン:スパイダーバース」はソニー・ピクチャーズによるマーベルコミック原作のアニメ映画。

ソニーと言えばサム・ライミ版「スパイダーマン」、アンドリュー・ガーフィールドが主演した「アメイジング・スパイダーマン」、最近の「ヴェノム」とかで知られている。スパイダーマン専門といってもいいような感じですね。

そんなソニーのスパイダーマン映画の最新作が「スパイダーマン:スパイダーバース」というアニメーション。

評判はすこぶるよくて、批評家観客ともに大絶賛。今年のアカデミー賞で長編アニメーション部門を受賞した。

レビューは圧倒的な肯定のものが多く、海外の大手レビューサイト、imdbの評価は現時点歴代30位アニメ映画では千と千尋の神隠しに次ぐ2位ということになる。間違いなく映画史に残る、アニメ映画の傑作として注目されている。

そんな作品が3月8日に全国公開される。また3月1〜3日にIMAXやドルビーシネマで先行上映された。僕はキャナルシティ博多のIMAXで見た。

3Dの映画見たの、「フォースの覚醒」以来だし、IMAX3Dで見たの「トランスフォーマー・ダークサイドムーン」以来です。超久しぶりでした。

その数時間後にTジョイ博多のドルビーシネマで「アリータ:バトルエンジェル」見たので比較記事近々アップしますね。

ドルビーシネマ感想・IMAXと比較してどうだった?

あらすじ・作品情報

時空が歪められたことにより、異なる次元で活躍するスパイダーマンたちが集められた世界を舞台に、主人公の少年マイルスがスパイダーマンとして成長していく姿を描いた長編アニメーション映画。ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーと出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。

予告編を見て分かる通り、動くアメリカンコミックを意識したかのような作品だ。

映画好きには「レゴ・ムービー」「21ジャンプストリート」の製作脚本、また「ハン・ソロ」の監督を途中降板したことで知られている、フィル・ロード&クリス・ミラーのコンビが製作総指揮兼脚本。

このコンビは怒涛の勢いで繰り出されるコメディシークエンスが特徴の、質の高いコメディを作り続けている。最新作も同じようなベクトルの作品だ。

映画の感想

おすすめ度 93/100

一言感想・レゴ・ムービーのその先へ

レゴ・ムービー2.0

「スパイダーマン:スパイダーバース」を見て思ったのは、「これ、LEGOムービー2.0やん」ってことですね。いや、「LEGOムービー2」今月公開されますけど。そっちも見たら感想書くと思いますけど。「LEGOムービー」のアップデート版みたいな作品でした。

そもそもですが、「LEGOムービー」って映画知ってます?

先程も書いた通りフィル・ロードとクリス・ミラーが脚本や製作を担当した作品ですが、日本ではあまり知られていません。

僕は宇多丸師匠のラジオで知って「超面白そう!!!」ってなって、公開当時見に行きました。

レゴで構築された世界が舞台で、見たことのないような映像と怒涛のギャグが繰り広げられる超面白いアニメ映画でした。

ですが、日本では全然話題にならなかった。レゴの映画という理由で舐められていたんですよね。僕も名前知った段階では見るつもりなんて全くなかったんですが。めちゃくちゃおもしろいのに日本ではヒットしませんでした。「アナと雪の女王」が日本でヒットしてたとき世界で大ヒットしてたんですが、知ってました?

映像革命とハイセンスなギャグが繰り広げられる地味に2010年代アニメーションを代表する傑作だった。なのに日本ではあまり認知されていない作品でした。まだ見てない方はぜひとも見てください。

「LEGOムービー」

で、今回見た「スパイダーマン:スパイダーバース」は、この映画の進化系でした。見たことない映像とハイセンスなギャグが続くハイテンションムービーです。

みたことない映像×ハイセンスなギャグ

「LEGOムービー」、そのスピンオフ的な企画にあたる「LEGOバットマン・ザ・ムービー」は、革命的な映像を楽しむ作品だった。

「LEGOムービー」では、LEGOですべてが表現された、観客の誰もが見たことのない世界をスクリーンにぶちまけた。そしてハイテンションに進行する物語にはいたるところに、なかなかハイセンスなギャグが散りばめられている。アニメーションでしかできない表現方法で、誰もが見たことのない世界を描きつつ、笑えるシーンも多い作品だった。

本作「スパイダーマン:スパイダーバース」は、それをさらに進化させている。

「スパイダーマン:スパイダーバース」はおそろしく原作に忠実に、アニメーション化された作品だ。これは予告編の映像を見ても分かる通り、カラー版のアメリカンコミックが動いているようなアニメーションで、それをカラフルに、ポップに描いている。

吹き出しやコマ割りなど、コミックの特徴的な技法もアニメーション化され、いたるところにフィル・ロード&クリス・ミラーコンビらしいギャグが散りばめられている。過去作のオマージュや自虐的なギャグを含めて観客を笑いに誘う。

これでもかと敷き詰められた情報量の多さに圧倒され、観客をサイケデリックな映像体験に導く。そして笑えるシーンも多い。

要は、「LEGOムービー」で行ったことを、「スパイダーマン:スパイダーバース」でも全く同じように描いたのだ。そしてこの質の高さは完全に前作を上回っている。

またテーマも似通っている。LEGOとアメコミという、子供じみたコンテンツを題材にして、その存在意義について描いたという点でも似ている。この作品は、LEGOムービーのベクトルで、アメコミとは何なのかについて描いた作品でもあるのだ。

LEGOムービーはLEGOというおもちゃの存在意義が大きなテーマだったが、今回もそう。「漫画の何が悪い」とハンマーでぶん殴るキャラクターが出てくる通り、アメコミの荒唐無稽さと面白さ、存在意義も描いている。非常に出来が良い、「LEGOムービー」が大好きな僕にとって、好きにならないわけがない「LEGOムービー」のアップデート版でした。

とはいえど一部問題点もあって、この物語が構造的にあまりにもベタ、というか既視感のあるものになっている。「LEGOムービー」も「スパイダーマン:スパイダーバース」も、周囲から頼りにされない少年の成長物語だ。プロット自体は「LEGOムービー」にものすごく似ているし、似たシーンもある。そしてどちらも親子愛を主軸に描いている。

そのためいい意味でも悪い意味でも「LEGOムービーのアップデート版だなあ」と思いました。もっとストーリー面で「LEGOムービー」とは違うひねりが加えられていたらとんでもない傑作になってたと思います。

ただ、全体的におそろしく完成度の高い作品で、間違いなく「LEGOムービー」は超えてます。3月に公開される真の「LEGOムービー2」は一体どうなるんでしょうか。こっちも楽しみです。

「LEGOムービー」が公開されたとき、アカデミー賞を受賞したのは「ベイマックス」で、「LEGOムービー」はそもそもノミネートすらされませんでした。完成度めちゃくちゃ高いのに入ってなくてちょっとがっかりしたんですが、そんな「LEGOムービー」のアップデート版の本作が、今回見事アカデミー長編アニメーション部門を受賞したのは非常に喜ばしかったです。

まとめ

いろいろなスパイダーマンが共演する本作ですが、この続編では実写版も関わってきたら面白いよなあと思います。

アニメのスパイダーマンと、トビーマグワイアと、アンドリュー・ガーフィールドとトム・ホランドが共演するの、超見たくない?

実写とアニメが融合した続編できないかなあとか、そんな妄想も膨らむ楽しい作品でした!

 

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