2018年夏・ミニシアター系映画の快作「ウインド・リバー」

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「ミッション・インポッシブル フォールアウト」でブラント分析官ことジェレミー・レナーが出てこなくて不満たらたらだった人にまずおすすめしたい映画が本作、「ウインド・リバー」。

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この映画はジェレミーが主人公で、いつもどおりのジェレミーのアクションが際立つ作品ではあるのだが、ストーリーもなかなか深かった。

先日博多にいったときに見たんですけど、期待以上に面白かったです。

あらすじ

アメリカ中西部・ワイオミング州のネイティブアメリカンの保留地ウインド・リバー。その深い雪に閉ざされた山岳地帯で、ネイティブアメリカンの少女の死体が見つかった。第一発見者となった野生生物局の白人ハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、血を吐いた状態で凍りついたその少女が、自らの娘エミリーの親友であるナタリー(ケルシー・アスビル)だと知って胸を締めつけられる。
コリーは、部族警察長ベン(グラハム・グリーン)とともにFBIの到着を待つが、視界不良の猛吹雪に見舞われ、予定より大幅に遅れてやってきたのは新米の女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)ひとりだけだった。
死体発見現場に案内されたジェーンは、あまりにも不可解な状況に驚く。現場から5キロ圏内には民家がひとつもなく、ナタリーはなぜか薄着で裸足だった。前夜の気温は約マイナス30度。肺が凍って破裂するほどの極限の冷気を吸い込みながら、なぜナタリーは雪原を走って息絶えたのかーー

主人公コリーは、娘の親友、ナタリーの死骸を見つけるが、明らかに普通でない状態でなくなっていた。そして捜査を進めていくと、レイプされた痕跡が見つかった。

雪原の西部劇

この映画は多くの方が述べている通り、現代の西部劇だ。そして珍しくも、雪原が舞台だ。タランティーノの「ヘイトフル・エイト」などもあるが、こういった作品はあまり見たことがない。

この映画の監督は、続編がもうそろそろ公開される「ボーダーライン」の脚本家として知られているが、こちらは西部劇に出てくるような無法地帯、メキシコの麻薬カルテルについて描いたバイオレンス映画だ。

 

本作「ウインド・リバー」でも無法地帯が描かれる。警官の数が少なく、行方不明者も数知れず。少女ばかりが殺されている。なぜこのような事態に陥っているのか、事実に着想を得て作られたミステリーだ。
最初はサスペンスなのだが、後々西部劇のような展開になってくる。

本作においてジェレミー演じるコリーは、かつての西部劇に出てきた正義の保安官や、「ダーティー・ハリー」における主人公ハリーのように描かれる。

コリーとFBI捜査官ジェーンは、法で裁くことが難しい悪と向き合うことになる。

そして、西部劇で行われていたような方法で彼らを裁く。

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問題提起と娯楽性の両立

白人が先住民をレイプしても起訴されない。

多くのネイティブアメリカンが失踪するが、行方不明者の数すら調査されていない。

なぜこの土地では少女ばかりが殺されるのか。その謎解きのヒントにもなるこの重苦しい事実。

このことについて真っ向から描いた本作だが、娯楽性も兼ね備えている。

まず物語展開。考えさせられるような問題提起を組み込んだストーリーが面白い。

そして最後はアクションだ。悪人を制裁する骨太でバイオレントな銃撃戦も楽しむことができる。

重厚なサスペンスとアクションを楽しむことができ、考えさせられる。

ラストは「それでも生きていかなければならない」ということを観客に突きつける。非常に重苦しい展開になるが、希望に満ち溢れている。

小品ながらかなりの傑作。ミニシアター系の作品が見たい方はぜひご覧になってください。

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