「恐怖の報酬オリジナル完全版」(1977フリードキン版)感想&評価 THE70年代エンタメアクション映画

「恐怖の報酬オリジナル完全版」(1977フリードキン版)感想&評価 THE70年代エンタメアクション映画

「恐怖の報酬オリジナル完全版」をこの前見た。久しぶりにシネコンの優れた環境で昔の映画を見たけど、ほんとに行ってよかった。大スクリーンと大音響が映える作品でした。

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「恐怖の報酬オリジナル完全版」とは

アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督による同名フランス映画をリメイクした作品。クルーゾー監督版に関しては地味に感想をブログにアップしてます。

恐怖の報酬(1953アンリ=ジョルジュ・クルーゾー版)感想

この傑作サスペンスを1977年にハリウッドがリメイク、「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」で知られるウィリアム・フリードキン監督によってつくられた。

ユニバーサルとパラマウントという2大メジャースタジオが共同出資し、3大陸5カ国でのロケを敢行するなど、完成までに2年の歳月と破格の製作費が投じられる。

しかし、「スターウォーズ」のメガヒットにより興行的に失敗。日本をはじめ北米以外では、フリードキンに無断で約30分カットされた92分の短縮版が公開され、まともに評価されることもなく公開は終了した。

以後、日本では数回の短縮版のTV放送、1991年のセル・ビデオ(北米公開版)発売を最後に、見ることが不可能になっていた。

今回フリードキンが自ら指揮を執って121分のオリジナル完全版を、5.1ch、4Kデジタル・リマスター化。同年のヴェネツィア映画祭でプレミア上映され、以後、各地で再評価の嵐を巻き起こしてきた。

そんな伝説の作品がついに日本で公開される。フリードキン自身が最高傑作と自負する作品が、今回スクリーンで甦った。

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「恐怖の報酬オリジナル完全版」あらすじ

ジャングルに囲まれた南米ポルヴェニール。そこは犯罪者やならず者が多く暮らす街だった。

ある日、ポルヴェニールから300キロほど離れた油田で、大火災が発生。石油会社の支配人は、この爆発の炎を鎮火するために、爆薬を運び込むことを決める。しかし、倉庫にはわずかな衝撃でも大爆発を起こしかねないニトログリセリンしかなかった。

そこで石油会社は、1万ドルという多額の「報酬」を条件に、ポルヴェニールから消火用ニトログリセリンを運搬する希望者を募集する。選考に通ったのは

イスラエル・エルサレムで爆弾テロを実行したテロリストのマルティネス

フランス・パリで不正取引を追及され、逃亡した銀行家セラノ

アメリカ・ニュージャージーで教会を襲撃したもののやらかしてしまい幹部から追われることになったマフィアのドミンゲス

ナチス残党狩りの殺し屋ニーロ

の4人。彼らは一攫千金を目指しニトログリセリンの運搬を引き受けるが、彼らの前には想像を絶するジャングルの脅威が待ち受けていた。

「恐怖の報酬オリジナル完全版」感想・レビュー

おすすめ度73/100

ほんとに映画館で見てよかったと思える作品でした。

内容はというと、労働者を奴隷のように扱う姿が印象的な社畜映画だったクルーゾー版とは違い、どちらかというとジョン・ヒューストンが監督した「黄金」を彷彿とさせるような感じだった。

「黄金」は金のない流れ者が儲け話を嗅ぎつけ一攫千金を目指す作品だが、「黄金」のような感じで南米の生活が描かれる。地獄のブラック企業が描かれるクルーゾー版の「恐怖の報酬」とは少々違っていた。

クルーゾー監督版「恐怖の報酬」と大きく違うのは、完全にエンタテイメントに仕上げている点だろう。クルーゾー監督版はアクションエンタテイメントというよりも人間ドラマに重きを置いたサスペンスだった。しかし、フリードキン監督版「恐怖の報酬」はバイオレンスアクションという側面のほうが強く、完全にエンタメとして作られていた。

まずオープニングは世界規模で、流れ者の一人ひとりをじっくりと描く。なぜ追われる身になりポルヴェニールに暮らすことになったのか、じっくりと描いているため、なかなか事の発端の大爆発が起こらない。

これはクルーゾー監督版の「恐怖の報酬」と共通していて、なかなか事の発端の大爆発が起こらないし、主人公たちはトラックに乗らない。メインの話がなかなか始まらなかった。クルーゾー版と同じく40分~1時間くらいかかる。

そのため、前半は人物描写がメイン。だが、クルーゾー版と違いド派手なアクションシーンがあったり大爆発が起こったりするため、そこまで退屈しない。クルーゾー監督版は修行のようだが、大爆発やアクションが頻繁に起こるフリードキン監督版は案外飽きずに見ていられる。

加えてクルーゾー監督版は主人公のイヴ・モンタンがメインでほかは脇役感があるが、フリードキン監督版は4人とも人生をしっかりと描いているため、感情移入しやすい。クルーゾー監督版では弱かった部分が結構改良されていた。

そして本編のニトログリセリン運びもしっかりとアクションエンタメとして徹底していてトラックの轟音や大爆発、アクションなどが続く。クルーゾー監督版はサスペンスとして見せていたが、火薬量マシマシのド迫力アクションとして撮っている印象が強かった。

クルーゾー版は心理的なサスペンスと、今のアクションRPGに受け継がれているようなハラハラするギリギリの映像で作られていたが、フリードキン監督版はそれに加えて火薬量を増やしてド迫力に仕上げていた。

全体的に「よくこんな映像撮ったな!!」と思うような映像が続く。特にポスターにもなっている橋のシーンはどんだけ金と労力かければ撮れるんだよ!と思ってしまうような映像で度肝を抜かれた。

加えて本作はフリードキン監督が指揮してリマスターした作品。めちゃくちゃ画質がいい。フレンチレストランのシーンなどは、「え?これ昔の映画なの?」と思ってしまうくらい今の映画と遜色ない映像美でびっくりした。今の映画と遜色ないような画質で、1970年代らしい骨太アクション映画を楽しむことができて、新鮮な気持ちになりました。

1970年代の映画が一番良かったと言う人が多い通り、この時代の映画はほんとにパワーに満ち溢れているなと思いました。

まとめ

THE70年代ともいうべき、爆発音と轟音が鳴り響くド派手な骨太アクションエンタテイメントでした。

これは「時計じかけのオレンジ」をスクリーンで見たときにも思ったことですが、昔の映画はスクリーンで見なければ意味がないと感じましたね。とりわけ70年代の映画は。トラックの轟音と爆発音が終始鳴り響くこの作品は大スクリーンで見なければ真のよさはわからない。1970年代映画特有のパワーに満ち溢れた作品でした。劇場で公開しているうちに見れてほんとによかったです。

どうせ発掘良品とかで発売されるだろうと思って見に行かない人も多いと思いますけど、もったいないです。近くの劇場でやっているのならば是非とも見に行ってほしい作品でした。

 

 

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