
今日は博多まで遠征、見たい映画が二本公開されていたため、それを見に行った。
「ブリグズビー・ベア」と「港町」。後者の作品は観察映画と呼ばれるドキュメンタリー映画なので劇場で見といたほうがいいようなタイプ。前者はノーマークだったけど見た人ほとんどが絶賛していたため、すごく期待して見に行った。
Contents
あらすじ
ジェームスは、外気から遮断された小さなシェルターで、両親と3人で暮らす25歳の青年。 子供の頃から毎週ポストに届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見て育った彼は、今は「ブリグズビー・ベア」の世界の研究に勤しむ毎日を送っていた。 少し退屈でも、パソコンでチャットする友人や仲の良い両親と、平和な日々がずっと続くのだと思っていた。しかしある日、警察がジェームスを連れ去り、両親は逮捕されてしまう…。
この映画は内容を言い表そうとすると、ものすごく突飛と言うか、なんて説明したらわからないような新ジャンルのような作品ではある。だが、ある二つの映画を見たことがある人ならば、これらの作品のミクスチャーと言えばなんとなく伝わると思う。というか、こうとしか言い表せない。
「ルーム」×「僕らのミライへ逆回転」だ。
ルーム
比較的最近の作品なので見たことのある人も多いと思うが、二年前のアカデミー賞で作品賞候補になった作品だ。
この映画は、誘拐された母と息子を描いている。監禁されている納屋から脱出したものの、生活に苦労するという過程も描いたことで話題になった。
よくある脱出モノでは脱出して物語が終わる。しかし、脱出したはいいものの、そっからってめちゃくちゃ大変だよねっていうことを描いているのだ。
この「ブリグズビー・ベア」でも、おなじようなシチュエーションが描かれ、そこから彼はどう日常に馴染んでいくのかが描かれている。
僕らのミライへ逆回転
ミシェル・ゴンドリー監督作、「僕らのミライへ逆回転」も間違いなくこの作品に影響を与えている。
意味不明なタイトルだが、原題を直訳すると「巻き戻して返却お願いします」。ビデオテープ時代のレンタルショップでよく使われていた言葉だ。
廃れたレンタルビデオ店が舞台で、VHSが全てパーになってしまい、セルフリメイクして貸し出すという無謀な挑戦をした結果、街中を巻き込むことになるという作品。
「ブリグズビー・ベア」とめちゃくちゃ似てます。大昔に見たので記憶が曖昧だけどかなり似ていると感じました。
この二つの映画のミクスチャーだと言えば、見たことある人なら伝わると思う。それなのに今まで見たことのないような脚本になっている。全然展開が読めない。そこが面白かったです。
映画愛
映画愛を全面に押し出した作品が昨今の映画業界で非常に多く作られている。「レディプレ」もそうだったし、今公開中の「カメラを止めるな!」もそう。
「俺は映画が大好きだ!」映画がよく公開されている。つらい現実から逃避してもいいという作品として、映画にのめりこんだりVR空間にのめりこむ映画が多い。
この映画の主人公もつらい現実を体験する。自分が親だと思っていた人は誘拐犯で、好きだった教育番組は親が作っていたもので、自分以外誰も見ていなかった。だが、この番組で育ってきた主人公にとって心の支えはこれしかない。そのため彼は「ブリグズビー・ベア」の新作を撮ろうとするが、周りの大人からは理解を得られない。
だが彼の、作品を愛する力は周りを変える。
ドストレートな映画愛映画で、最後は感動しましたね。見ている途中は「この作品全然タイプじゃないかもしれない」と思いながら見ていました。ぶっちゃけね。でもラストはほんと泣きそうでした。おすすめです。