この映画、多分普通のミニシアターで上映されていても見に行かなかったと思う。だけどこういう、ミニシアターでしかやってなさそうな映画が近くのシネコンで公開されたときは、なるべく見に行くようにしている。そのため、なんかしらんけどミニシアターでしかやってなさげなインド映画の本作が公開されると知ったときもウォッチリストに入れていた。まあただ、全然知らない作品だったので、そこまで期待していなかった。

スポンサーリンク

だがこの映画、日本ではそんなに話題になってないが海外ではものすごく評判がいい。imdbの歴代映画ランキングトップ250にランクインしているのだ。つまり、アメリカでは映画史に残るかもしれないレベルの評価を受けている。なのでこれは絶対に見ておかないとなと思って劇場に赴いた。
感想を一言でいうと、今年のベストテンに入れたいくらい面白かったです。
そんな本作、『盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲』の感想を書いていきます。

『盲目のメロディ』あらすじ・映画情報

本当は目が見えるが、芸術のために盲目で通しているピアニストのアーカーシュは、ある日、大スターのプラモードから演奏を依頼され、彼の豪邸を訪ねる。しかし、そこでプラモードの妻シミーが、不倫相手と結託してプラモードを殺害している現場を目撃してしまう。

映画.comから引用

この映画、監督のフィルモグラフィ的に日本人にとってはほとんど馴染みがない。だが、映画好きの日本人なら見たことあるような人も結構出演している。

本作でとんでもない悪女、シミーを演じるタブーは『ライフ・オブ・パイ』のお母さん役として知られているし、主人公の恋人のソフィーを演じるのは『パッドマン』の奥さんだ。案外メジャーな人も出演している。そんな作品だった。

『盲目のメロディ』感想

おすすめ度 84/100

お前ら全員地獄に堕ちろ!

『人生スイッチ』より面白い『人生スイッチ』みたいな『ファーゴ』『ラ・ラ・ランド』

『人生スイッチ』より面白い『人生スイッチ』みたいな映画

最近『人生スイッチ』みたいな『人生スイッチ』よりおもしろい映画が多い気がする。僕は今年の夏に初めて『人生スイッチ』という作品を見たけど、かなり評判はいいものの、正直そこまで面白いと思わなかった。

トチ狂ったブラックコメディのオムニバス映画だが、最初の2話とボンバーマンの話は面白かったけど、他の話がほんとに面白くなくて、エンドロールが流れたときはぽかんとしてしまった。

正直『人生スイッチ』に関しては面白いとは思わなかったけど、今年公開された映画には、『人生スイッチ』みたいな映画と例えるのが一番しっくりくるような毒気の強い、クレイジーなブラックコメディの秀作が多い。

僕が先月の東京国際映画祭で見た6本の作品の中で一番おもしろいと思った『列車旅行のすすめ』という作品もそうだった。一見地味なので普通のドラマかと思いきや、初っ端からトチ狂っているとしか思えない展開をするブラックコメディで、観客に強烈な印象を与える作品だった。この映画を見た人はだいたい『人生スイッチ』みたいな映画だったと表現するし、僕もその例えがしっくりきた。『人生スイッチ』みたいな映画だけど『人生スイッチ』より面白くね?と思ってしまうような作品が『列車旅行のすすめ』だった。

本作、『盲目のメロディ』もそんな映画だった。正直、『列車旅行のすすめ』を今年のベストテンに入れるつもりだったのに、あまりにも似ているからどちらかに絞らにゃならんなーと思ってしまうくらいにはベクトル的に一緒だった。

『人生スイッチ』より面白い『人生スイッチ』みたいなインド版『ファーゴ』『ラ・ラ・ランド』って感じの作品だ。

不謹慎なガキ使

この映画を一言でいうと、「盲目のフリしたピアニストが殺人事件を目撃するドタバタコメディ」。設定的に嘘つきが主人公の映画なので、全く感情移入できないような気がするが、感情移入しやすいように非常にうまく作り込まれていた。

本作の主人公、アーカーシュは病気持ちではないものの、盲目状態で行動するピアニストだ。なぜ盲目のふりをしているのかというと、視覚をシャットアウトして聴覚を鋭敏にするため。すなわち芸術のために盲目状態を作り出してトレーニングに勤しんでいるピアニストということ。

視覚を使わず行動するために、盲目になるコンタクトレンズを着用して、白杖を持って街に出歩く彼だったが、そんな彼にひょんなことから女友達ができる。

彼女と意気投合して彼女のお父さんが経営しているバーでピアニストとしての職もゲットした彼は、彼女の顔が気になりだす。なんかすげえ好意をよせてくれてる感じがするけど、どんな娘なんだろう。

原チャで送り迎えしてくれるくらいの仲になった彼は、彼女の顔が気になってしょうがない。そして彼は盲目コンタクトを外して外に出歩くようになる。それから彼は盲目状態で行動するピアニストから、盲目のふりをしたピアニストとして行動するようになる。

だがここで物語は急展開。彼の演奏を気に入った大スターのプラモードに家に招待され、ピアノの演奏を頼まれた彼は、プラモードが住むマンションへと赴く。そしてプラモードの妻、シミーに案内されるが、なんか人が倒れている。

プラモードが、殺されている。

目が見えてないふりをしながらピアノを弾くアーカーシュ。対して、目が見えないピアニストという予期せぬ客の登場に困惑しつつも目が見えない(という設定の)アーカーシュに感づかれないように死体を移動するシミーとその浮気相手。生死の危険を感じながらも見えない状態を演じ演奏したアーカーシュは、なんとかシミーたちから解放され、警察に直行するも、警察署でとんでもない真実が明らかになる。

にわかには信じられない光景が広がるが、目が見えない設定なので絶対に動揺してはいけない。目が見えると相手に分かれば絶対に殺しにやってくる。加えてアーカーシュは、「愛する夫が何者かに殺された」という設定のシミーとの縁も切れない。こうして、彼は殺人犯と関わりながら目が見えてないふりをする生活を強いられる。「絶対に動揺してはいけない盲目のピアニスト」が始まった!

嘘で塗り固まれた騙し合い・驚きのラスト

そうして始まる物語は二転三転。見たことのない展開の連続でほんとに驚く。そして出てくるやつのほとんどが嘘しか言わない。不都合な証人は殺していくスタイルの殺人犯に、自分だけが得をすればいいと思っているやつらまで色々とでてきて、予測不能な展開をする。もう中盤はあまりにもブラックすぎて「お前ら全員地獄に堕ちろ!」と思ってしまう。ここまで毒々しいインド映画は初めて見た。

そうして事件が一段落ついたかと思うと、まさかの展開。もうこれはあらゆる人が言ってるのでもう言っていいと思うけど、終盤は『ラ・ラ・ランド』を丸パクリしているシーンがあって爆笑する。

そしてエンディングロール前の最後の最後でさらなる驚きを観客に与える。ラスト、勢いよくカッコーンとぶっ飛ばされるあるものを見て、呆然としてしまう。ここまでキレッキレな終わり方をするサスペンスは久しぶりに見た。

まとめ

この作品を見た日は前に映画3本見ていて、結構疲れが溜まっていたんですがぶっ飛ばされました。

久しぶりに「これ、マジで面白いよ」ってみんなに言いたくなる映画を見ましたね。この映画はほんとに当たって欲しいので、気になった方はぜひとも劇場に足を運んでみてください。

 

おすすめの記事