映画マンガ「怒りのロードショー」が超面白い件

映画マンガ「怒りのロードショー」が超面白い件

セールで安かったから購入した「怒りのロードショー」1巻が面白すぎて2巻も買ってしまった。
映画オタクがただダラダラ映画について話すだけの漫画だ。それだけなのに、なんでこんなに面白いんや!!

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怒りのロードショーとは

怒りのロードショーとは、マクレーンという名前の漫画家さんが書いた漫画。WEBで発表されていて、単行本は角川書店から発売されている。名前からしてボンクラ映画好き感がにじみ出ている。

内容は高校生がひたすら映画について駄弁る。ただそれだけの内容だが、なんか面白い。

高校で腐女子の会話に辟易するシェリフ、ヒデキ、まさみ、ごんぞうの四人。

(1話より引用)

高校生とは思えないほど本数を見ているオールマイティ、圧倒的知識人のシェリフ

二週間に一回くらい、TSUTAYAで3本くらい映画レンタルしますみたいな感じのまさみ。端から見ればものすごくキモいにわか。よくいる映画好きでもある。

バットマンシリーズの最高傑作は「ダークナイト」と信じて疑わない。一番映画オタクがむかつきそうなキャラクターでもある。

※映画秘宝を読んでるような映画オタクにとって、「バットマン・リターンズ」が一位という意見のほうがメジャー。「ダークナイト」を一位にする人もいるが、絶対に許さないという人もいる。

ガタイのわりにホラー映画が苦手なヒデキ

スタンダードな映画オタクで、ホラーとかゾンビとかバカ映画が大好き、映画秘宝とか愛読してそうなごんぞう。

この四人のたわいもない会話から始まる。

そしてステイサムのパイレーツがみたいとか、「ランボー 怒りの脱出」は傑作とかいった話になっていく。こいつら結構レベル高い。ほんとに高校生かこいつらは!

秘宝読者みたいなオタクとにわかファンがたわいもない会話をして、あるあるネタをやりまくる様がひたすら続く。映画秘宝においてコレは名作とか、よくやりがちなdisとか。これは映画秘宝読者が、にわかに正しい映画の知識を教えてあげる的な漫画なのだ。

世界観はこんな感じ


これ、一定のレベル超えないとわからないようなネタばっかなんだけど、知らない人理解できているのか?

映画好きの桃源郷

まずこの漫画を読んで思うことは一つ。

こんな学校ありえないよ!

青春時代

僕は映画が中学の頃から好きだったけど、周りに語れるやつなんてほとんどいなかった。
映画好きはいたはいたけど、「ダークナイト」についてすら語れなかった。

ネットで収集した情報とかだけで映画を見ていた。そんな僕みたいなやつにとってこんな光景は信じられない。自分よりも映画に詳しいやつと自分程度のやつが、映画について楽しそうに話している。それはこの4人組だけではない。会う人会う人が映画の話をしている。

(10話より引用)

これは信じられない。僕は基本的に映画は一人で見ていたため、語ることなどほとんどできなかった。

オンライン時代の今ならば、SNSなどをつかってこういった交流するのは容易になったけど、SNSがまだここまで普及してなかった一昔前では、映画の話ができる同世代の人と出会うことはかなり難しかった。グリーとかで映画好きと友だちになったことはあったけど、会話したことはあんまりない。

青春時代にこれだけ映画を語ることができたらどれだけ幸せだったろうか。

サードプレイスとしてのレンタルビデオ店

この漫画には、「メリーに首ったけ」のメリーのごとく、映画オタク野郎の欲望を叶えたかのようなヒロイン2人が登場する。

シェリフの家庭でみっちり映画教育を受けた妹トトちゃん。

(番外編より引用)

小学生なのにエリア・カザンの「紳士協定」を語りだすくらいえげつない知識量。

そしてラノベ作家の夢を持つレンタルビデオ店バイトのナカトミお姉さん。映画をこよなく愛していて、ラノベも自分がセガールに転生したらみたいなやつばっか書いてる。

(11話より引用)

この二人が、とんでもねえ映画オタクなのにかわいいという映画オタクの野郎が理想的な女性を考えたとしか思えないキャラクター。

僕にロリコンの節はないのでナカトミお姉さん一択なのだが、映画大好きなこの二人はかなり魅力的。

そしてこのナカトミお姉さんの働いているレンタルビデオ店ではシェリフ達が映画を語りにやってくる。周りにおすすめとか聞いたり語りまくることができるなんて、最高のサードプレイスじゃないか。

(14話より引用)

村山の存在意義

だが、そこには暗黒卿もいる。映画オタクをダークサイドに引きずり込もうとする男。

村山さんである。

(8話より引用)

蓮實重彦や映画芸術の評論を読みすぎたのかルサンチマンをこじらせたマジキ……キャラである。

ググるとなぜかみんな「怒りのロードショー」というキーワードと一緒に「村山」を検索している。それくらいこいつの存在意義がわからない。

ただ評論家が言ってたことをドヤ顔で語るルサンチマンにしか見えない。彼の言ってることは割と独自性があるのだが、既視感があるのだ。ある種ルサンチマンを抱えた系の評論家がよくする否定の仕方とかなり似ているため、ものすごく文化人気取りに見える。蓮實重彦や菊地成孔に代表されるような小難しい言葉が羅列した評論ばかり読んでこじらせたみたいなそんな奴だ。

とりあえずマーベルの映画を薄っぺらいとディスったり、「スカーフェイス」を低俗なリメイクと言ったりなど、今ヒットしている作品をけなして自分わかってるだろと悦に入ったり、蓮實重彦の意見を鵜呑みにしてディスる評論家かぶれに似ているのだ。

批評家が言ってそうな御託を並べて上から目線で満足する。クソ野郎だが一本筋が通ってるとか書いてる記事あったけど、あんまり通ってないよこれ。にわかと思われるのが恥ずかしいからちょっとマイナーなタイトルあげようとしてる感じが見え隠れしているから。

話に割り込んできて自論を展開して周りを不愉快にする様はまるでTwitterのクソリプ野郎。上から目線のバカが有名人に絡んでブロックされて文句言ってるゴミみたいなやつに激似なのだ。

自分は人とは違って分かっていると思い込んで周りを蔑むスノッブ野郎の村山だが、一歩間違えれば僕達もこんなやつになる可能性がある。

村山は桃源郷を破壊する暗黒卿だ。そしてそのダークサイドには誰もが陥る可能性がある。9話が印象的だが、シェリフみたいな映画オタクをダークサイドに引きずり込もうとする。

(9話より引用)

スピルバーグは褒めるのにマイケル・ベイはディスっていいんだろうか。タイタニックをイケメンと美女のラブロマンスと語る人たちをディスってもいいんだろうか。

上から目線で映画を語るということは、やってはいけないことだということを思い知らせる。だけど、映画が好きになるほど、嫌いな映画を否定したくなる。だが、果たして自分は映画を楽しめているだろうか。ハリウッドの大作よりミニシアター系を見ることに注力しすぎて、純粋に映画を楽しむことを忘れてないだろうか。

映画好きがぶち当たる矛盾。とにかくこの矛盾と格闘するしかないのだ。

僕達は、ある種村山的なものを抱えているのだ。

俺なんでこんな文章書いてるんだろ。

理想と現実

もうひとり、誰得キャラクターがいる。まさみの姉だ。

スピルバーグを村山と全く同じディスり方をするまさみの姉が本作において最もひどいキャラクターだ。映画オタクの馴れ合いをキモいといって趣味を否定する。

なんでこんな奴が出てくるんだろう。

多分、まさみの姉みたいな家族が作者にもいたんじゃないかって思うんですよね。だから、まさみはにわかの範疇を超えることができず、趣味をあまり極められない。

また、村山みたいなやつがコミュニティにいたかもしれない。純粋な映画トークがしたいのに割り込んでマウンティングしてくるやつ、しかもそれなりに知識があって打ち負かすことのできないやつがいて、そいつのせいで映画をあまり語れなかった。そこまで詳細な過去があるかはわからないけど、似たような境遇で映画を純粋に楽しむことを阻害してきた人がいたような感じがする。

シェリフの家庭のように、一家で映画を楽しむような家庭に生まれることができたら、もっとバケてたのかもしれない。こんな家庭に生まれたかったし、ただ純粋に映画トークを楽しむことができるような友だちに恵まれたかった。そして自分が会話したかったような映画友だちを高校に登場させて、こんな映画話がしたかったなーみたいなことを描いた漫画だと思うんですよね。

考えすぎですかね。間違ってたらごめんなさい。

まとめ

くだらない。タメにならない。ただ映画愛にだけあふれたムダ話がひたすら続く。

暗黒卿はいるものの、映画好きの桃源郷のような場所でただ映画について語るさまが見ていて面白い。

僕みたいな映画好きなら間違いなく楽しめる作品だ。

でも、これって明らかに僕程度あるいはそれ以上知識ないと楽しめないと思うんですけど、映画にそんな詳しくなさそうな人の評判も悪くないのは知らなくても楽しめてるってことなんですかね?

気になってるなら読んでみてください。おすすめですよ!

 

 

あとTwitter見てて気づいたけど前バズったこの漫画もマクレーンさんが書いたやつなんですね。こっちも単行本化してほしい笑

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