新幹線でお得に移動する方法として、俗にいう「こだま割」がよく知られています。
JTBから発売されているとくとくひかり・こだまプラン、日本旅行から発売されているバリ得こだま・ひかり、近畿日本ツーリストから発売されているめっちゃ得プランというようなものがあり、このプランを使えば、こだまやひかりのチケットをお得に買えます。
かつては非常にお得なプランとして人気を博していて、僕も何度か使わせてもらったことがありますが、最近の料金改定によりその魅力が薄れつつあります。個人的に、これを選ぶならもはや違う手段を使ったほうがいいのではないか?とも思っています。
この記事では、近畿日本ツーリストから発売されているめっちゃ得プランについて、なぜそのように僕が思っているのか、その理由と、このプランのメリット・デメリットについてまとめます。JTBから発売されているとくとくひかり・こだまプランの解説記事・日本旅行から発売されているバリ得こだま・ひかりとかなり話が被っているところがありますが、このプラン特有の特徴もあります。購入を検討している人は参考にしてみてください。
Contents
めっちゃ得プランの基本情報
めっちゃ得プランは、近畿日本ツーリストが提供するお得な新幹線チケットプランです。
このプランでは、特定の「ひかり」および「こだま」列車を利用することで、通常料金よりもかなり安く新幹線に乗車できます。具体的な料金と利用条件について以下に紹介します。
料金体系
日本旅行より引用
新大阪から博多まで11,800円(博多の場合スクリーンショットの値段+600円になる)と、定価よりもかなり安い料金で行くことができるのが特徴。指定されたこだま・ひかりを選ぶことで、関西から九州まで、新幹線での移動ができます。他のこだま割と比較すると高めな気がしますが……。まあ、いいや。
これにより、旅行の移動費を抑えることが可能です。
選べる新幹線の種類と時間帯
このプランでは、利用可能な列車と時間帯が限られています。
JTBのとくとくひかり・こだまと違い、公式サイトにパンフレットは載っておらず、予約ページを進めるまで時刻表を確認することはできませんが、予約ページをすすめたらこんな感じでした。
近畿日本ツーリストより引用
具体的には、上のパンフレットのスクリーンショットに載っている「ひかり」と、「こだま」が対象です。
博多~新大阪までの新幹線が朝7時台のやつしかないですね。JTBと日本旅行は6時台もあったんですがこっちにはないようです。
見てもらえれば分かる通り、選択肢がめちゃくちゃ少なく不便です。午前の新幹線で博多から新大阪に行きたい場合、早朝しか選ぶことができません。
早朝の博多を7時台に出発する新幹線に乗る以外に手段がありません。それもそれを過ぎたら13時前の、夕方に到着する新幹線しか選ぶことができません。
また、通常、のぞみなどの新幹線を使えば、博多と新大阪を2時間半で行くことができますが、このプランだと各駅停車のこだまがメインなので、4時間以上かかる場合があります。
博多~新大阪の最終の限定列車はのぞみと同じくらい早いですが、それ以外は基本、いつもより1,2時間プラスでかかります。
こういった制約がある中で、安い値段で新幹線に乗ることができるのがめっちゃ得プランということです。
チケットの購入方法
チケットは、めっちゃ得プランのページから買うことができます。オンライン予約で出発日7日前までに予約する必要があります。購入したチケットは、ゆうパックで送ってくれるようです。
「めっちゃ得プラン」は、特定の条件下で非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。しかし、時間帯や利用可能な列車に制約があるため、利用前には十分な計画が必要です。
めっちゃ得プランのメリット
「めっちゃ得プラン」は、特にコストパフォーマンスのよさを重視する人に人気です。その主なメリットを以下にまとめました。
経済的な利点
このプランの最大の魅力は、通常の新幹線料金に比べて大幅に割安な料金設定です。例えば、福岡から大阪への片道料金が約10,000円程度で購入できます。通常料金が14,750円であることを考えると、かなり安いことがわかります。
これにより、旅行や出張にかかる交通費を大幅に削減できます。
予約の便利さ
公式ウェブサイトで簡単にチケットを購入でき、忙しい方でもスムーズに予約が可能です。
新幹線移動の快適さ
めっちゃ得プランを利用することで、新幹線特有の快適な移動環境を享受できます。
新幹線は比較的快適な乗り物です。長距離移動でも疲れにくく、移動中でも仕事や娯楽を楽しむことができます。新幹線に乗っているうちに原稿を仕上げたり、原稿を書くために新幹線に乗るという作家さんの話もよく聞きます。新幹線に格安で乗れるというのもメリットでしょう。
めっちゃ得プラン特有のメリット
と、ここまで紹介したメリットはJTBのとくとくひかり・こだま、日本旅行のバリ得こだまなどとほぼ同じです。この手のこだま割は、値段や内容に違いはほぼありません。ただ、めっちゃ得プランには案外違いがありました。
郵送で送ってくれる
この手のこだま割では、基本ネットでチケットを予約したら、搭乗前にチケットを駅に置いてある指定席券売機で発券する必要があります。ただ、このめっちゃ得プランでは、その必要がありません。郵送で送ってくれるようです。なので、慌てず発券するということがありません。
200円券がついてくる
200円の買い物券がついてきます。公式サイトの文章を引用します。
「ちょっぴり利用券」は、博多駅:駅弁処 博多(旧駅弁屋たい)、九州恵みの玉手箱博多、小倉駅:おみやげ街道ビエラ小倉店、おみやげ街道小倉(駅弁コーナー含む)でご利用いただけます。
めっちゃ得プラン公式サイトから引用
とのことです。
めっちゃ得プランのデメリット
こういったメリットのある、めっちゃ得プランですが、デメリットも多いです。
時間帯と列車の制約
先ほども書きましたが、このプランでは、利用可能な列車と時間帯が限られています。このため、通常の新幹線に比べて選べる便が少なく、柔軟なスケジュール調整が難しい場合が多いです。また、移動時間が長くなることもデメリットの一つです。
また、JTBや日本旅行のこだま割よりも選択肢が少ない印象を受けます。
事前予約の必要性
めっちゃ得プランは、通常の新幹線チケットと同様に事前予約が必要です。
また、予約を1週間前にする必要があります。他のこだま割と違いゆうパックで送ってくれますが、その分早く予約する必要性があります。
利用区間の制限と厳格な利用条件
めっちゃ得プランは、特定の区間のみで利用可能なプランで、利用途中での下車や乗り遅れは無効扱いとなります。こういった制約がいろいろあるのが特徴です。
例えば、福岡から大阪までの移動で昼頃に到着したい場合、選べる列車は朝7時のみです。めっちゃ得プランで大阪に行く場合、この選択肢しかなく、寝坊や遅刻は許されません。
めっちゃ得プラン値上げとその影響
めっちゃ得プランは以前、非常にコストパフォーマンスの高いプランとして人気を集めていて、僕もよくこの手の「こだま割」サービスを使っていました。
が、最近の料金改定により多くの人ががっかりしています。以下に、その主な影響を説明します。
全体的な料金の上昇
まず、もともとはこのサービス、8,000円くらいで買えていました。
めっちゃ得プラン公式サイトから引用
かつて福岡から大阪への片道料金は約8,000円でしたが、現在では約12,000円に上昇しました。これにより、往復での料金は約24,000円となり、以前のプランと比べると負担が増加しています。
つまりもともと、破格の値段で買える代わりに、3,4時間くらいかかる新幹線に乗る必要があり、遅刻したらおじゃんという、そういう切符だったわけです。それで8,000円!制約多いけど激安!という切符だったのですが、もう今は12,000円です。
なのでぶっちゃけ、僕としてはもう使う気は全くありません。1,000円値上げくらいならまだわかりますが……。これはいくらなんでも……。ねえ……。
グリーン車の追加料金の引き上げ
また、グリーン車の追加料金の引き上げというデメリットもあります。
以前は+1,000円でグリーン車が利用できました。しかし、現在ではその表記がありません。なので調べてみたところ、約+4,000円と大幅に引き上げられました。
そのため、いつもグリーン車を使っていた人には大きな打撃となったことでしょう。
まあそれでも、通常のグリーン車よりも大幅に安いとは思いますが。
めっちゃ得プラン特有のデメリットを踏まえて考える
こういったデメリットは、JTBや日本旅行で発売されているこだま割とそこまで変わりません。
ただ、このめっちゃ得プラン、そもそもが他のサービスよりも値段が高く、それがさらに値上げされて11,800円という金額になっています。また、JTBや日本旅行などよりも高い理由はおそらくチケットを郵送してくれるからなのだと思いますが、その影響で1週間前には購入しないといけません。
その他の移動手段と比較するとどのようになる?
破格の値段で買える代わりに、3,4時間くらいかかる新幹線に乗る必要があり、遅刻したらおじゃんという、そういう切符だっためっちゃ得プラン。
それが今はもう、それなりに高いが、3,4時間くらいかかる~(以下同文)という非常にめんどくさい切符になってしまった。なぜそれなりに高いと思うのかというと、もっと安い、もしくはそんなに変わらない値段で快適に移動する手段があるからです。
フェリー移動の選択肢
新幹線以外にも、福岡から大阪・神戸まで移動する手段として、フェリーを利用する方法があります。
「阪九フェリー」と「名門大洋フェリー」は、安価で快適な移動手段として、僕も何度か利用させてもらっていますし、今後はこの手のこだま割ではなくフェリーがメインになるような気もします。
以下にその特徴と利点を説明します。
料金の経済性
フェリーの個室プラン、例えばスタンダードシングルやファーストSでも、1万円弱で利用できる場合が多いです。
カプセルタイプや和室に仕切りのあるタイプのプランではさらに安くなります。これにより、移動費用を抑えつつ、快適な旅が楽しめます。
快適さと設備
先述の個室プランを使えばプライバシーが確保されるため、移動中もリラックスして過ごすことができます。個室なら人目を気にせず食事もできます。また、船内にはレストランやラウンジなどの施設もあり、長時間の移動でも快適に過ごせる環境が整っています。
移動時間と利便性
フェリーは夕方に出発し、翌朝に目的地に到着するため、夜間の移動で時間を有効活用できます。
特に前日の夕方にフェリー乗り場に行く必要があるものの、夜間に移動することで到着日をフルに活用できる点が魅力です。僕もこの前行ったとき、早朝に着いたので朝から奈良を堪能しました。長距離の移動でも体力を温存でき、翌日の活動に備えることができます。
フェリーと、めっちゃ得プランを比較する
めっちゃ得プランとフェリー移動を比較すると、新幹線はスピードと利便性、フェリーは経済性と快適さという異なるメリットを持っています。どちらを選ぶかは、利用者のニーズやスケジュール、予算に応じて決定するのが良いでしょう。
ただ、僕的には結局はめっちゃ得プランは遅いと感じます。フェリーだと早朝に着きますが、こだま割だと朝めちゃくちゃ早起きしても、大阪に着くのは11時とかです。
そして、電車の遅延など、自分に関係ないトラブルに巻き込まれてもこの切符はおじゃんになります。これでフェリーの半額とかならまだわかりますが、同じくらい、むしろ高いのならば、僕はフェリー移動のほうがいいと思います。
ホテルパックという選択肢
ホテルパックという選択肢もある。比較的高いイメージがあるものの、実はそんなに、現在のめっちゃ得プランと値段面で変わらないですし、めっちゃ得プランのデメリットを考慮するとこちらのほうがいいように思えます。
近畿日本ツーリストやJTBなどよりも比較的安いと思う、日本旅行で調べてみましょう。
ホテルパックの予約ページから価格を調べてみると
日本旅行の福岡から新神戸までのホテルパックのプランを見てみて、比較的安いホテルのホテルパックの値段を調べてみると、このようになりました。
日本旅行より引用
日本旅行より引用
5,200円です。つまり、新幹線プラス5,200円の宿で26,800円ということです。なので、新幹線往復は21,800円ということです。
3,4時間くらいかかる新幹線に乗る必要があり、遅刻したらおじゃんという切符よりもこちらのほうが安いです。どう思いますか?
これはたまたまキャンペーンなどで激安価格だった可能性もあるので実際はもっと高くなる可能性もありますが、ホテルパックでのぞみを使って行った場合と値段が大幅に違うというわけでもありません。というか、JTBはともかく、日本旅行はほぼ変わらなくないか?
ホテルパックと、めっちゃ得プランを比較する
両者を比較してみます。
1.コスト
・同じホテルに泊まる場合、「めっちゃ得プラン」は23,600円。(ホテル代別途必要)
・ホテルパックは26,800円。
2. 時間の選択肢と柔軟性
・「めっちゃ得プラン」大阪行きの場合、夕方以降到着の便を選ばない限り、早朝便限定。寝坊だけでなく、電車の遅延などの理由でも乗り遅れたら切符はおじゃんになる。
・ホテルパックは「のぞみ」などの高速新幹線を含めて選択肢が広く、柔軟性が高い。
3. 快適さと利便性
・ホテルパックは、ホテル宿泊がセットになっており、一括予約が可能。一泊だけ泊まるということも可能(詳しくは後述)
・「めっちゃ得プラン」は、宿泊手配が別途必要。
つまり、少しのコストの違いで大きな利便性と柔軟性を得られるかどうか、というのが判断の鍵となります。
僕はどちらか選べと言われたら、ホテルパックを選びます。
ホテルパックでは「のぞみ」などの高速新幹線を利用でき、移動時間が約2時間半と非常に短縮されます。また、選べる時間帯が広いため、日中や夜間の移動も可能で、スケジュールを立てやすいです。
「めっちゃ得プラン」は、特に福岡発の場合は早朝便くらいしか利用できず、乗り遅れや電車の遅延でプランが無効になるリスクがあります。しかし、ホテルパックでは、選べる時間が多いため、このようなリスクが大幅に軽減されます。小倉や博多駅まで遠い場合でも、9時台の新幹線に予約すれば、そこまで早起きせずとも、昼には大阪に着けるでしょう。
また、ホテルパックでは、宿泊もセットになっているため、旅行の計画が簡単です。また、3泊したいという場合でも1泊だけ予約するということもできるのがホテルパックの強みです。ネット予約でも簡単に設定ができます。初日にホテル1泊して、それ以降の宿は各自予約して、新幹線で帰るということも、簡単にできます。
総合的に見て、ホテルパックの方が少しコストが高いものの、利便性や快適さ、時間の柔軟性で優れています。そのため、快適でストレスの少ない旅行を求めるなら、ホテルパックを選ぶのが最適だと思います。
まとめ
今回の記事では、福岡から大阪・神戸までの移動手段として「めっちゃ得プラン」について解説しました。
今となっては、フェリー移動およびホテルパックのほうがいいんじゃないのかと思えるくらい値上げしているので、僕はおそらく今後使うことはないと思います。フェリーやホテルパックがすごい値上げしない限り、使うことはないです。
それぞれのプランには特徴があり、利用者のニーズに応じて最適な選択肢が異なります。
めっちゃ得プラン
めっちゃ得プランは、経済的な面で優れた選択肢ですが、利用できる時間帯や便が限られているため、スケジュール管理に厳密さが求められます。また、乗り遅れた場合無効になるというリスクも考慮する必要があります。朝めちゃくちゃ早起きする必要がある上、電車で新幹線駅に向かう場合はそれでも乗れない可能性があると考えるとめちゃくちゃ怖いです。
フェリー移動
フェリー移動は、夜間の時間を移動にあてることができ、リラックスした環境でのんびりと移動できるのが魅力です。特に、プライベートな空間を確保できる個室は、快適さを求める方にとって理想的な選択肢です。価格も比較的安く、コストパフォーマンスに優れています。
ホテルパック
ホテルパックは、新幹線の柔軟な時間帯選択と宿泊がセットになっているため、利便性と快適さを兼ね備えたプランです。多少コストが高くなりますが、移動時間の短縮や一括予約の手軽さを考慮すると、総合的な価値は高いといえます。また、たまたま激安キャンペーンにあたっただけの可能性はありますが、日本旅行のホテルパックを選んだ場合、めっちゃ得プランと金額面で大差ありません。
最終的に、どのプランを選ぶかは、予算、移動時間、快適さの優先順位によります。経済的な選択肢を求める方で新幹線で移動したい!という方にはめっちゃ得プランが適していますが、利便性や快適さを重視する場合は「ホテルパック」が最適です。
▷ 【JTB版】とくとくひかり・こだまを解説|同じようなプランだけど違いはあるの?
▷ 【日本旅行版】バリ得こだま・ひかりプランを解説|こっちのほうがおすすめだったりします
▷ とくとくこだま・バリ得こだま・めっちゃ得プラン|福岡大阪間の格安新幹線プランを徹底比較