『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』を見ました。

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公開するやいなや、子供向け映画とは思えない完成度の高さにTwitterの映画好き界隈が騒然とした本作。

期待通り、かなり面白い作品でしたよ。ディズニー映画で例えるなら、『ベイマックス』みたいな感じでした。

『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』あらすじ・映画情報

あらすじ

ある日の午後、お気に入りの喫茶店「喫茶すみっコ」を訪れたすみっコたちが注文した料理を待っていると、地下室から謎の物音が聞こえてくる。音の正体を確かめに行ったすみっコたちは、そこで1冊の飛び出す絵本を発見する。絵本はボロボロでページの大事なところがなくなっており、桃太郎のお話のページには背景があるだけでおじいさんもおばあさんもいない。すると突然、大きな影が現れ、えびふらいのしっぽが絵本の中に吸い込まれてしまう。

映画.comから引用

作品情報

今回取り扱うのは『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』である。

2018年で例えるなら『若おかみは小学生!』ポジションの作品だろうか。『「誰が見るんだこんなの」と思われがちな題材なのに、あまりの完成度に話題をかっさらっていく秋頃公開のアニメ映画の傑作』のひとつだ。そんな映画、本作と『若おかみは小学生!』以外にあるのか知らんけど。

公開するやいなやみんな大絶賛で、否定意見はあまり見当たらず、2019年を代表するアニメ映画の傑作という声or傑作とは言わないまでもかなりよく出来た作品という声に分かれた。どちらかというと僕は後者ではあるものの、大人にでもおすすめできるアニメ映画の秀作であることに間違いない。

『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』感想

おすすめ度 81/100

かわいい。

かわいい

僕はすみっコぐらしというキャラクターについて全く知らない状態でみた。コンテンツを初めて見るどころか、店頭に並んでいるようなぬいぐるみなどでさえもまともにみたことがない。そんな状態で見に行ったら、ずっとニヤけるのを我慢しながら見る羽目になった。


すみっコぐらし公式サイトより引用

序盤には僕みたいな一見さんでも理解できるように、すみっコたちの一人ひとりの特徴などを簡潔に紹介するパートがあるが、もうこの時点でにやけてしまうほどかわいい。

もうこのキャラクターが動いているだけで癒やされる。中盤以降もずっとかわいいから、笑みがこぼれるのを同じ列の人に悟られないように我慢して見る羽目になった。ちなみに僕の推しキャラは「ざっそう」です。

(出典:『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』主題歌PV(60秒)11月8日全国ロードショー!)

マイノリティの共同体

この映画、というか「すみっコぐらし」というコンテンツがなぜここまで多くの人の支持を得ているのか。可愛いからという理由以外に考えられるものに、「マイノリティの共同体をテーマにしているから」というのがある。

すみっコたちはこれといって強みがなく、のけもののように扱われそうなキャラクターばかりだ。そういった属性のキャラが共に、マイノリティどうし仲良くし、まったりと生活している。この『万引き家族』などと共通したような社会的弱者のコミュニティを、「すみっコぐらし」は老若男女かわいいと思うような癒やしのキャラクターとして描いている。

(恥ずかしがり屋でコンプレックスの多い)ねこ 
(寒がりな)しろくま
(実は恐竜だということを隠している)とかげ
(体が黄緑色で、昔はあたまにおさらがあったような記憶があり、きゅうりが好き。だが自分はぺんぎんだと思いこんでいる)ぺんぎん?
食べ残されたえびふらいのしっぽ
食べ残された(脂肪の塊の端っこ部分の)とんかつ

すみっコたちには自信がない。寒さに強いという「しろくま」のアイデンティティを喪失した『しろくま』。端的に言えばモラトリアムの『ぺんぎん?』。人(動物)に食べられることが宿命なのに食べられずに残された『とんかつ』と『えびふらいのしっぽ』。自分の使命を喪失したような、のけもののようなものの集合体だ。人間社会でもそういう人たちが多い。完璧な人間はいないし、多くの人はコンプレックスを気にしている。というかよほどのナルシスト出ない限りそうだ。つまりすみっコは、(なにかしらの欠陥を抱えた)にんげんと同じなため、そういう人たちに刺さりやすいコンテンツだと考えられる。

すみっコたちは絵本の世界に入り込み、自分たちと似たような境遇の、『ひよこ』とであう。

『ひよこ』は一体絵本のどのページ(すなわちどのおとぎ話)に登場するキャラクターなのかがわからない。『ぺんぎん?』(自分がぺんぎんだと思っているがしっくりこず、自分探しを続けている)は、そんな『ひよこ』を見て、自分探し中という共通点に気づく。『ぺんぎん?』には自分探しをしている友はいなかった。『とんかつ』と『えびふらいのしっぽ』は似た者同士(食べ残された食べ物という点)なので仲がよくいつも一緒にいるが、『ぺんぎん?』にはいない。そんな『ぺんぎん?』と『ひよこ』は仲良しになる。

 

(出典:『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』主題歌PV(60秒)11月8日全国ロードショー!)

そして冒険を続けるうちに、すみっコたちはひよこの正体を知ることになるが、そこから物語は急展開する。

試練

ラスト。ひよこの正体はわかったものの、すみっコたちには絶望的な試練が待ち受けていた。

そもそもこの絵本自体、かなりヘビーな試練をすみっコたちに課している。隅っこが落ち着くすみっコたちは、絵本に吸い込まれたことによって、おとぎ話の登場人物として自分の苦手なことをやらざるを得なくなる。

桃太郎になる『ねこ』は恥ずかしがり屋なのに鬼退治のリーダーに仕立て上げられ、マッチ売りの少女になる『しろくま』は寒さが苦手なのに真冬にマッチを売る羽目になる。もはやこれはすみっコたちに与えられた試練なのだ。

そして終盤、すみっコたちに一番の試練が降りかかる。この展開に多くの観客は涙するだろう。ただ、それなりにこの手のコンテンツを見た本数の多い大人にとって、ぶっちゃけラストの展開は割と想像通り。そのため、非常に感動的ではあるものの泣きはしなかったかな。まあただ、完成度は高いので普通に満足という感じです。

とりあえずのまとめ

正直子供向けアニメーションなので、丁寧にわかりやすくストーリーを描かれていて、その結果結構オチが読めやすい作品になってます。でも、完成度は高いのでそこまで不満はなかったです。詳細は次にネタバレ込みで書きます。

 

ネタバレ込みで

ネタバレしますよ。

 

 

 

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ラスト、絵本の落書きということが判明したひよこは、すみっコたちと一緒に外に出ようとするも、絵である自分は出れないということを悟り、すみっコたちと涙ながらに別れる。小さな子どもでもひよこの宿命を悟ることができるようわかりやすいように、それでいてくどくない程度に、じっくりと演出されていて涙をさそう。

そして多くの観客はこのシーンで涙を流すが、映画を見慣れてる人なら、今後どういうラストになるのかだいたい予測できる。「落書きが外に出れないなら、落書きを増やせばいいじゃない!」である。ひよこが外に出れないことを悟るシーンは、子供にもわかりやすいように長尺で描かれる。そのため頭の片隅で今後の展開を考える余裕ができる。『ひよこ』と『ぺんぎん?』が涙ながら分かれるシーンを見ながら、「あー、戻ったすみっコたちが落書き増やすんだろうなー」と予想できてしまう。

そして予測通り、絵本から脱出することができたすみっコたちは、喫茶すみっコでひよこが寂しくないように家を落書きを付け加え、それプラス、自分たちを投影したひよこたち、すなわちひよこに擬態したすみっコを描く。

そしてエンドロール。ひよこが、(ひよこに擬態した)すみっコたちと一緒に楽しく暮らす様が落書きのように描かれて涙腺崩壊。泣いてまうわこんなん!という終わり方をする。

まあ僕はこの映画を見て、『ベイマックス』とかに似ているな。と思いました。『ベイマックス』もだいたいラストの展開予測できるじゃないですか。でも完成度が高いし感動的だから結構満足するじゃないですか。『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』もそんな作品でした。

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