どうも。今後の運営方針に悩んでるためか、なかなか筆が進んでない牧田です。
今回は1月から3月に見た19本の新作映画についてまとめてみようと思います。
映画の感想記事を書くのは非常にめんどくさくって、浅薄な記事は書きたくないからしっかりと書きたいけど、いつも時間がかかる。そのため見たけど感想記事を書いてる途中で上映終了するみたいな作品も多かった。
なので今回はそういった作品もひっくるめて全作、ざっくりと書いてみました。いつもは映画一本につき2000字以上書くけど、今回は友達と飲みに行ったときに「どうだった?」と聞かれて一言で言い表すような感じで書きました。適当なやつは超適当です笑
これから月でまとめようかなと思ったんですが、せっかくなので今回は1月見た映画から、3ヶ月分考えました。1月全然見てなくて2月3月にかなり見てる感じでした。
というわけで書いていきます。
※引用部分はすべて映画.comからの引用です。
Contents
2019年1月〜3月に見た新作映画まとめ
『クリード炎の宿敵』
「ロッキー」シリーズを新たな主人公アドニスの物語として復活させ、世界中で好評を博した「クリード チャンプを継ぐ男」の続編。「ロッキー4 炎の友情」で、アドニスの父であり、ロッキーの盟友だったアポロ・クリードを葬ったイワン・ドラコの息子ヴィクターが登場し、アドニスが因縁の対決に挑む姿を描く。
ロッキーの指導の下、世界チャンピオンに上り詰めたアドニスは、かつて父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子ヴィクターと対戦することになる。ヴィクターの反則行為により試合には勝利したものの、納得のいく勝利を飾ることができなかったアドニスは、心身ともに不調に陥ってしまう。やがて婚約者のビアンカが出産して父親になったアドニスは、ロッキーから父親という存在の大切さを諭され、しばらく一線から遠のくことに。しかし、「ボクシングこそが自分そのもの」と気づいたアドニスは、ヴィクターとの再戦を決意する。
シリーズで一番好きかも。前作よりもクリードに感情移入させられるし、ドラゴに関してはもっとさせられる。燃える作品です。
『ファースト・マン』
「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングのコンビが再びタッグを組み、人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いたドラマ。ジェームズ・R・ハンセンが記したアームストロングの伝記「ファーストマン」を原作に、ゴズリングが扮するアームストロングの視点を通して、人類初の月面着陸という難業に取り組む乗組員やNASA職員たちの奮闘、そして人命を犠牲にしてまで行う月面着陸計画の意義に葛藤しながらも、不退転の決意でプロジェクトに挑むアームストロング自身の姿が描かれる。
『ダンケルク』みたいな映画。コアな映画ファンの心は掴んだものの誰にでも分かりやすい作品になっていない。それでいて宇宙飛行シーンはアトラクション性を重視している少々歪な作品。
『ダークナイト』&『インセプション』でファンになったけど『ダンケルク』であれ?ってなった人がまたも困惑しそう。個人的に通常の映画館で見るには物足りない作品だなと思った。ドルビーシネマで見たかったです。
『アクアマン』
DCコミックス原作のヒーローで、「ジャスティス・リーグ」にも参戦したアクアマンを主役に描くアクション大作。海底に広がる巨大な帝国アトランティスを築いた海底人たちの王女を母に持ち、人間の血も引くアクアマンは、アーサー・カリーという名の人間として地上で育てられた。やがて、アトランティスが人類を征服しようと地上に攻め入り、アクアマンは、アトランティスとの戦いに身を投じていく。
王道エンタメ。宝探しと怪力アクションと子供が好きそうなものを詰め込んだ家族映画。
バカの『シェイプ・オブ・ウォーター』って感じでよかった。
『メリー・ポピンズ リターンズ』
アカデミー賞5部門に輝いた1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の20年後を描いた続編。大恐慌時代のロンドン。バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、かつて父や祖父が働いていたロンドンのフィデリティ銀行で臨時の仕事に就いていた。しかし現在のバンクス家に金銭的な余裕はなく、さらにマイケルは妻を亡くしたばかりで家の中も荒れ放題。そこへ追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥ってしまう。そんな彼らの前に、あの「ほぼ完璧な魔法使い」メリー・ポピンズが風に乗って舞い降りてくる。
『フォースの覚醒』みたいな映画だけど『フォースの覚醒』に比べて面白くない!
『メリー・ポピンズ』の数年後に作られた63点くらいの続編みたいな作品を、現代の技術を駆使して作品の魅力を現代に完全に蘇らせたみたいな映画。脚本に粗があるけどこの世界観を劇場で体験するだけで涙が流れそうになった。
『女王陛下のお気に入り』
「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」で注目を集めるギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の入り乱れる愛憎を描いた人間ドラマ。
(中略)
18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイングランド。女王アンの幼なじみレディ・サラは、病身で気まぐれな女王を動かし絶大な権力を握っていた。そんな中、没落した貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイルが宮廷に現れ、サラの働きかけもあり、アン女王の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争をめぐる政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王のお気に入りになることでチャンスをつかもうとするアビゲイルだったが……。
隠し味ににんにくとブルーチーズを入れようとして結果、明らかに入れすぎてクセが強くなったフランス料理みたいな作品。上品な作品の多い宮廷ドラマジャンルなのに変態が監督することによってとんでもない方向に向かっていた。見るからにやべえ奴が変なパスタの食い方するシーンが一番の見せ所という奇妙な前作と同じく、やる気のない手○○シーンに笑わせられる。レイチェル・ワイズの妖艶さに驚く。
『THE GUILTY ギルティ』
電話からの声と音だけで誘拐事件を解決するという、シンプルながらも予測不可能な展開で注目され、第34回サンダンス映画祭で観客賞を受賞するなど話題を呼んだデンマーク製の異色サスペンス。過去のある事件をきっかけに警察官として一線を退いたアスガーは、いまは緊急通報指令室のオペレーターとして、交通事故の搬送を遠隔手配するなど、電話越しに小さな事件に応対する日々を送っている。そんなある日、アスガーは、今まさに誘拐されているという女性からの通報を受ける。車の発進音や女性の声、そして犯人の息づかいなど、電話から聞こえるかすかな音だけを頼りに、アスガーは事件に対処しなければならず……。
例えば絵が少しだけしかなく、代わりに文章が非常に美しい絵本をみたとき、どういう感想を抱くのか。
「心打たれる文章に感動した!」となるのか、「絵本読んだ気にならねえ……。」となるのか。個人的には後者だった。
また思ってたよりサスペンスな感じではなくて、実験映画では『Search/サーチ』のほうが圧倒的に好きだなあという感じですね。はい。
『天才作家の妻』
ベテラン女優グレン・クローズが、世界的作家の夫を慎ましく支えてきた妻に扮し、夫婦の絆や人生の意味とは何かを描いたヒューマンドラマ。主人公ジョーンを演じたクローズは第91回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされ、クローズ自身にとって7度目のアカデミー賞候補になった。
ノーベル文学賞受賞した天才作家の妻が主人公。
多分これあらすじとか調べずにみたほうが面白いよ。何も知らない状態で頭空っぽにしてストーリーと演技を楽しみたい作品。
『サムライマラソン』
外国の脅威が迫る幕末の世。安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるため、15里の山道を走る遠足を開催することに。しかし行き違いによって幕府への反逆とみなされてしまい、安中藩取り潰しを狙う刺客が藩士不在の城に送り込まれる。遠足参加中に藩の危機を知った安中藩士の唐沢甚内は、計画を阻止するべく走り出す。
あるライターさんが絶賛していたので見に行ったら「ん??????」ってなった作品。
端的に言ってとっちらかっている。
死体にカマキリが這ったりなど面白いシーンはあるものの、総じてガタガタなのは否めない。生ハムメロンのような珍味として楽しもうにも、明らかに美味しいとは言い難い味をしている。竹中直人が竹中直人でしかなかったけど、全然馴染んでない。
すべてがとっちらかっているような感じになっているのに『華麗なる一族』のテーマみたいな曲が流れつつ荘厳なエンディングを迎えて、「いい映画だったのか?」と思わせるも「やっぱりとっちらかってるよね?」ってなりながらエンドロールを迎える。そして無理やりオリンピックの映像につながる。なんなんだこれは。
『斬、』
「野火」「六月の蛇」の塚本晋也監督が、池松壮亮と蒼井優を迎えて描いた自身初の時代劇。250年にわたって続いてきた平和が、開国か否かで大きく揺れ動いた江戸時代末期。江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄される浪人の男と周囲の人々の姿を通し、生と死の問題に迫る。
東京旅行で行ってみたかったユーロスペースでやってたしせっかくなので見たんだけど生半可な気持ちで見に行くべきじゃなかったね。『野火』の監督の最新作だということを完全に忘れていた。『るろうに剣心』みたいな話かと思いきやストーリーが思わぬ方向に。とにかく音がすげえので劇場でみておいたほうがいい作品。もうあまりやってないと思うけど。
『ROMA/ローマ』
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ。キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した。
ド肝を抜かれるほどではないものの、恐ろしく美しいモノクロ映像が続く作品。
まあ、スピルバーグがネトフリ作品を締め出したい気持ち、わからなくもないんだよね。スマホで最新のアカデミー作品賞最有力候補が見れるってのはかなり複雑な気持ちだった。スマホの画面で、電車とかランチの待ち時間に分割して見たんでね。
実際スマホで見ても美しいシーンは非常に美しかったけど、あまり良さを体感できなかった。見逃さなければスクリーンでも見ようと思います。
あと電車で見始めたらいきなり全力のフルチンが流れたからびっくりしたぞ。後ろの人に見えないように超配慮したぞ。
『スパイダーマン:スパイダーバース』
時空が歪められたことにより、異なる次元で活躍するスパイダーマンたちが集められた世界を舞台に、主人公の少年マイルスがスパイダーマンとして成長していく姿を描いた長編アニメーション映画。ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーと出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。
フィル・ロード×クリス・ミラー製作の最新作は、彼らの代表作で、2010年代アニメーションの隠れた傑作だった『LEGOムービー』をそのままアップデートしたような作品。革命的映像とギャグがノンストップで繰り広げられる『LEGOムービー』のLEGOをアメコミに置き換えて、もっと凄くした紛うことなき神映画。
とはいえど『LEGOムービー』好きな僕としては、ストーリー面などで『LEGOムービー』とは違うひねりが加わってたらよかったかなと。それさえあればアニメ映画オールタイムベストでぶっちぎり1位になってたかも。
※今『LEGOムービー』、Amazonプライム会員なら特典で見れるようです。まだ見てない方は見てください!
『アリータ:バトル・エンジェル』
木城ゆきとによる日本のSF漫画「銃夢(ガンム)」を、同作の映画化を長年にわたり熱望していたジェームズ・キャメロンの脚本・製作により、ハリウッドで実写映画化したアクション大作。監督は「シン・シティ」のロバート・ロドリゲス。
(中略)
数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。
なんか期待以上にジェームズ・キャメロンの新作感あった。それでいて日本の良質なコミックが原作。なので脚本がベタな『アバター』とかより完成度が高い。
とはいえど最後詰め込みすぎでしょ。さすがにこれは……。どうにかならなかったのかといいたくもなる。最後30分削って違う部分にもっと力入れてたら、どう考えてももっと完成度の高い作品になったはず。
『運び屋』
巨匠クリント・イーストウッドが自身の監督作では10年ぶりに銀幕復帰を果たして主演を務め、87歳の老人がひとりで大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をもとに、長年にわたり麻薬の運び屋をしていた孤独な老人の姿を描いたドラマ。家族をないがしろに仕事一筋で生きてきたアール・ストーンだったが、いまは金もなく、孤独な90歳の老人になっていた。商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れていたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、簡単な仕事だと思って依頼を引き受けたが、実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。
家庭より仕事を優先した男の贖罪。イーストウッドの人生を描いたような作品。思ってたよりライトかつコメディタッチで、テーマがすっごくわかりやすい作品。まあでも『グラン・トリノ』のほうが好きだわ。
あと90歳の爺さんが模範的なドライバーとして成立しているアメリカ社会に驚いた。ボケた爺さんが免許切れてるのにトラック乗り回して問題になってる俺の地元とは大違いだ。
『グリーンブック』
1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。
今年のアカデミー賞で作品賞を受賞したドラマ映画。
よくできた映画なのは間違いない。ただ、この作品の情報を聞いてイメージする「お下劣コメディの中に差別問題を盛り込むことで有名なピーター・ファレリーが、黒人差別問題についてのシリアスなドラマを、万人受けにファミリーで見ても楽しめるように作ったドラマ映画」というものを超えてこないかなと。
題材が変革的なのにスタンダードすぎる感があって、あまり期待しすぎずに見たけど期待通りだったかな。題材が題材なんだしもっと冒険して欲しかった。
▷『グリーンブック』で描かれるフライドチキンと黒人差別の関係性
『サスペリア』
映画史に名を刻むダリオ・アルジェントの傑作ホラーを、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が大胆にアレンジし、オリジナル版とは異なる視点から新たに描いた。1977年、ベルリンの世界的舞踊団「マルコス・ダンス・カンパニー」に入団するため、米ボストンからやってきたスージー・バニヨンは、オーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大きな役を得る。しかし、マダム直々のレッスンを受ける彼女の周囲では不可解な出来事が続発し、ダンサーたちが次々と謎の失踪を遂げていく。一方、患者だった若きダンサーが姿をくらまし、その行方を捜していた心理療法士のクレンペラー博士が、舞踊団の闇に近づいていくが……。
ピナ・バウシュとヴィクター・クレンペラーとバーダー・マインホフとその他もろもろについて知っておかないと完全に理解できない、解説聞いてから見るべき超難解映画。『アンダー・ザ・シルバーレイク』を青の映画とすると本作は赤の映画かな。雰囲気がかなり似ている。ほんとにわけわからん。
『キャプテン・マーベル』
マーベルコミックが生んだヒーローが結集する「アベンジャーズ」シリーズに連なる「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の一作で、MCUでは始めて女性ヒーローが単独で主役となったアクションエンタテインメント。アベンジャーズ結成以前の1990年代を舞台に、過去の記憶を失った女性ヒーロー、キャプテン・マーベルの戦いを描く。1995年、ロサンゼルスのビデオショップに空からひとりの女性が落ちてくる。彼女は驚異的な力を持っていたが、身に覚えのない記憶のフラッシュバックに悩まされていた。やがて、その記憶に隠された秘密を狙って正体不明の敵が姿を現し……。
マーベル映画最新作は『遊星からの物体X』的なシチュエーションで主人公の過去の記憶を探求する。町山さんの解説を聞いて知ったけど、映画好きほど騙されるような脚本になっていてうまい。そして現代を象徴するテーマもうまく盛り込まれている。
非常に良く出来た作品ではあるものの、アクション面でのカタルシスが昨今の傑作よりも見劣りしている印象。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス』や『マイティ・ソー バトルロイヤル』で描かれたアクションシーンに比べて爽快度があまりなかった。『ワンダーウーマン』のときに感じた、褒めたいのに完璧だとはいいがたいもどかしさがフラッシュバックした。
『ブラック・クランズマン』
黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」潜入捜査した実話をつづったノンフィクション小説を、「マルコムX」のスパイク・リー監督が映画化。1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていたKKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎ着けてしまう。しかし黒人であるロンはKKKと対面できないため、同僚の白人刑事フリップに協力してもらうことに。電話はロン、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じながら、KKKの潜入捜査を進めていくが……。
往年のブラックスプロイテーション映画を踏襲して作られたエンタテインメント。
『グリーンブック』よりも断然好き。テーマもわかりやすくて面白い上、メッセージ性が強烈でエネルギッシュ。
『ジャンゴ繋がれざる者』や『バース・オブ・ネイション』などといった、昨今作られた黒人差別がテーマの作品に対するスパイク・リーからのアンサーのようになっていて、「俺が全力でつくってやるよ!!!」って思いながら撮ったような疾走感があって好き。
ラストが賛否両論呼んでるけど絶対必要だと思います。だってあれなかったらスカッとして終わるだけじゃん。
『ビール・ストリートの恋人たち』
「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督が、1970年代ニューヨークのハーレムに生きる若い2人の愛と信念を描いたドラマ。ドキュメンタリー映画「私はあなたのニグロではない」の原作でも知られる米黒人文学を代表する作家ジェームズ・ボールドウィンの小説「ビール・ストリートに口あらば」を映画化し、妊娠中の黒人女性が、身に覚えのない罪で逮捕された婚約者の無実を晴らそうと奔走する姿を描いた。
非常にアーティスティックな『ムーンライト』監督の新作。
凄惨な差別も描かれるが、見ているだけで愛おしい2人のカップルを『ムーンライト』ばりの美しい映像で描いているため心地よい。テーマは重苦しいが純粋なラブストーリーとして楽しめる。『ムーンライト』だけでなく、似たような戯曲の映画化作品、『フェンス』とかよりも自分好み。まあでもテーマがテーマなので辛いものは辛い。
『金子文子と朴烈』
大正時代の日本に実在した無政府主義者・朴烈と日本人女性・金子文子の愛と闘いを、「王の男」「ソウォン 願い」のイ・ジュニク監督、「高地戦」「建築学概論」のイ・ジェフン主演で描いた韓国映画。1923年の東京。朴烈と金子文子は、運命的とも言える出会いを果たし、唯一無二の同志、そして恋人として共に生きていくことを決める。しかし、関東大震災の被災による人びとの不安を鎮めるため、政府は朝鮮人や社会主義者らの身柄を無差別に拘束。朴烈、文子たちも獄中へ送り込まれてしまう。社会を変えるため、そして自分たちの誇りのために獄中で闘う事を決意した2人の思いは、日本、そして韓国まで多くの支持者を獲得し、日本の内閣を混乱に陥れた。そして2人は歴史的な裁判に身を投じていく。
いつも通りのレベル高い韓国映画。
もうこれはアジア版『グリーンブック』と言っていいのでは?バカが韓国or日本の国民性どーたらとかで片付けないように配慮された脚本が素晴らしい。
主題は日韓アナーキストの国境を超えた恋愛。だが、フェイクニュースと政府による隠蔽という、日本にとって非常にタイムリーなテーマも描かれていて驚く。現代日本と共通点が非常に多い。近代日本で起こった、現代を彷彿とさせる歴史修正主義とレイシズムを、丁寧に見せていく。
ただ、低能ネトウヨだけでなく左のバカも精神的に殺す感じがよかった。
あの頃のフェイクニュースは今の時代のそれよりも明らかにひどく、「インターネットのせいでフェイクニュースが」とか「昔はよかった」とかいってグチグチ文句言ってる低能テクノフォビア共産主義者もぶん殴ってる。キ○ガイというフレーズが連呼されるから厳しいだろうけど学校の授業で見せるべき。
おすすめの作品は
絶対見てほしいのは『スパイダーマン:スパイダーバース』。現時点で『千と千尋の神隠し』に次ぐ、21世紀を代表するアニメ映画です。超面白いので近くの劇場でやってたら見るのをおすすめします。
あと、『ブラック・クランズマン』が個人的にイチオシです。『金子文子と朴烈』『ビールストリートの恋人たち』あたりのミニシアター系もおすすめです。
というか、『サムライマラソン』以外見て損のない作品ばかりです。『サムライマラソン』もある意味面白いけどね笑
『THE GUILTY ギルティ』は個人的にそこまで大絶賛するほどの面白さだとは思わなかったけど、実験性に富んだ作品だし、非常に評判いいので劇場で見るのをおすすめします。『グリーンブック』『女王陛下のお気に入り』『ROMA/ローマ』などといったアカデミー賞有力候補ももちろん、『キャプテン・マーベル』も『アベンジャーズ エンド・ゲーム』に備えるために見よう!
では。