シネフィルWOWOWさんがこんなツイートをしていた。
因みに日本のBlu-ray、DVDセル市場は、年間3万円以上買うヘビーユーザーたちが年間の総売り上げの60%近くを支えているという構図。https://t.co/RIik7PhTKu
— シネフィルDVD (@cinefilDVD) 2018年5月17日
確かに、そんな感じはする。
Twitterでよく見かけるコレクターの映画棚は次元が違う。どんな職についてたらこんなに買うことできてんだよ!って突っ込みたくなる。こう言った方々が売上の6割程度貢献していると聞いても、でしょうね!という感想しか湧いてこない。
僕はどっちに属しているのかよくわからない。そんなに円盤の購入にお金をかけているつもりはないけど、3万円くらいかけたかもしれないし、それ以下かもしれない。最近僕はレンタルできる映画を基本買わなくなった。代わりにレンタルされていない映画や近くのレンタルショップに置いていない映画を買うようになったため、大量にコレクトすることはなくなった。
でもそこそこプレミアがついてる映画も昨年は買った気がするので、3万円くらいは超えてるような気がする。特にDVDが廃盤や未発売だったりする名作映画のVHSをよく購入した。もしかしたら「ヘビーユーザー」の仲間入りをしているのかもしれない。
今年は間違いなく3万円以上かけると思う。まず今年の初めに昨年見た「ベイビー・ドライバー」の4KUHDを購入した。基本的に集めていないけどこの作品に関してはオールタイム・ベスト級なので迷わず買った。加えて春に出たIVCのBlu-rayを3枚購入して、メルカリの売上金で1万円くらい使ったから、5ヶ月間で3万円弱購入したことになる。キングレコードの3枚キャンペーンや「黒い牡牛」のBlu-rayも購入するだろうから多分いく。お金ないから何度か見たらすぐ売ると思うけど。
僕は「3万円以上かけるヘビーユーザー」の一人かもしれないけれど、Twitterで見かける映画好きの映画棚は100万以上かけていると思う。そういった人たちが売上に貢献しているのは言うまでもない。だけど残りの4割が映画離れしていってるわけでもないと思う。
間違いなく周囲の人々よりは映画にお金をかけているが、荷物はあまり持ちたくない。まずは映画を見るという体験だけにお金をかけたいのだ。30手前くらいまでに一通り有名なものは見ておきたいから、コレクトにお金をかけずにそのコストを他の作品に回したい。
だからレンタルビデオ屋に置いてる作品や図書館で見れる映画は集めていない。僕はこれからそんなスタイルで生活していくつもりだ。
人よりは映画を見てる僕ですらこんな感じだから、他の人はもっとお金をかけないだろう。映画好きの多くが見たがるものは98%レンタルや動画配信で見ることができる。
スティーブン・スピルバーグやクリストファー・ノーランなどの作品はほとんどそういったサービスで見ることができるだろう。
アンジェイ・ワイダやアッバス・キアロスタミやライナー・ヴェルナー・ファスビンダーぐらいのレベルまでいかなければ、円盤を購入せずとも満足できる。
映画だけでなく、モノを所有するというライフスタイルは間違いなく終わりを迎える。
だが、紀伊國屋書店が発売しているディスクなどはコレクションの側面が強い。定価が高くて再販をあまりしないからプレミアがつきやすい。だから発売時に購入してコレクションする価値がある。
でもムルナウの「サンライズ」とか、カール・ドライヤーの「裁かるるジャンヌ」ですら廃盤になってるっておかしくないか?パブリックドメインだしネットをこまなく探せば見つかるかもしれないけど、そういった作品は映画を勉強する上で見とかなければいけない上位の作品だと思うのだが、なぜ1万円超えてたりするんだ?
このような映画やクリエイターに多大な影響を与えたジャン・リュック・ゴダールの作品や、アンジェイ・ワイダの作品などが、レンタルされてないうえ大枚をはたかなければ見れないってのはおかしい。
だからお金にゆとりがある人が購入するようなディスク販売だけでなく、貧乏学生でも頑張れば手に出せるけど、採算もちゃんと見込めるような動画配信などのマーケティングシステムを構築する必要性があるのではないかと最近良く思う。TSUTAYAやGEOなどの影響で1枚100円程度というお金の呪縛に囚われすぎていると思う。加えて映画の代金が定額1800円のところとかも。もっと値段で差別化していいと思う。
さっき挙げたような作品が1週間1000円とかで動画配信してくれるなら絶対見る。3本入ったBlu-rayが2万円とかだったら絶対に買う気しないけど、3本3000円とかで見ることができるんだったら、まず先に見て、購入したいと思ったらお金にゆとりがあるときに円盤も購入するよ。
だからアップリンク・クラウドで行われている動画配信サービスは素晴らしいと思う。こんなサービスで見れる映画が増えてほしい。翻訳とかに手間がかかるけど映画史に残る名作のBlu-rayを何万円で売られても売上に貢献できないと思うけど、動画配信してくれるなら2000円くらいまでなら払うよ俺は。
このネット時代、もっと名作映画が地方でも楽しめるような環境になってほしい。