「ウィンストン・チャーチル」<br>質は高いが危険な映画

※当サイトにはプロモーションが含まれます。

Darkest Hour

スポンサーリンク

日本人がアカデミー賞を受賞したことで話題になっている作品。

そのためか非常に混んでた。

いつもなら人気のないような時間に行っても

めちゃくちゃ多い。

なかでも嫌だったのが

月曜から夜ふかしとかにでてきそうなおっさんが、

一週間以上シャワーも浴びてないような異臭を漂わせながら

ぶつぶつ言いながらみてるんですよね。

西成とかによくいる人ね。

匂いと声で全然集中できなかった。

 

アカデミー賞効果なんだろうけど、

絶対この手の作品を劇場で見たことないような

人たちもたくさんいた。

配給会社にとってそれがセールスポイントになるとは思うんだけど、

日本人が受賞したからという理由だけで

映画を見てほしくない。

この映画を見るならば

シェイプ・オブ・ウォーター」や

スリー・ビルボード」も見てほしい。

それだけで終わってほしくないのだ。

 

いつも気になってるんですけど、

「おくりびと」を、アカデミー外国語映画賞を

受賞したから見た、という人のなかで

今年のアカデミー外国語映画賞

ナチュラルウーマン」を見た人・見る予定の人は

どれくらいの割合を占めてるんでしょう。

スポンサーリンク

あらすじ

1940年5月、第二次世界大戦初期。ヒトラー率いるナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。 内閣不信任決議が出されたチェンバレン首相の後任として、外相のハリファックスが最適任者だという声があがるが、本人はこれを固辞。そこで、国民からの人気は高いが、たび重なる失策から政党内の “嫌われ者”であったウィンストン・チャーチルに白羽の矢が立つ。 朝から酒をたしなむ変わり者の夫を叱咤激励する妻クレメンティーンや、気難しくもウィットとユーモアに富んだチャーチルの言葉をタイピングする秘書エリザベスのサポートを受けながら、国難に陥ったイギリスの新首相に就任したチャーチルは、ドイツとの和平交渉をすすめるチェンバレンとハリファックスらに陰口を叩かれながらも、「決して屈しない」と徹底抗戦を誓う。(公式から引用)

驚きのメイクアップ

まず、辻一弘さんの仕事は見事というほかない。

ゲイリー・オールドマンがチャーチルと化した

ポスターを見るだけでよくわかる。

おそらく日本人で映画をあまり見ない人にも

一番わかりやすい彼の役といえば

ハリーポッターのシリウス・ブラックなんだろうけど、

びっくりしません?本編見るまでもなく、

この人アカデミー賞獲るだろうなと思いました。

「えっ?これゲイリー・オールドマンなの!?」って誰もが思います。

(シリウス・ブラック)

(ウィンストン・チャーチル)

(同一人物ですよ)

宥和政策は悪なのか

この映画で描かれているチャーチルの名演説は

すごく心を揺さぶられる。

この人、ノーベル文学賞も受賞してるんですよね。

めちゃくちゃ文才のある彼が、

国民に訴えかけるさまを映像で見事に再現している。

美術的要素が素晴らしいうえ、

時間を感じさせない非常に質の高い作品ではあるのだが、

非常に好戦的で戦争屋と言われているチャーチルが、

ナチスに抵抗するさまはかなり危険に見える。

なぜ危険なのか。

ハリファックスの宥和政策を否定し、ナチスに抵抗するチャーチルの姿が、

日本において、野党の政策を否定し、

改憲やその他の法案を無理やり押し通そうとする

与党と被ってしまうからだ。

 

チャーチルのように、

ユダヤ人殲滅計画を実行したり世界をナチス一色に染めようとしている

ヒトラーを敵とみなすのは分かる。

でもこの描き方を日本に当てはめると、

ネット右翼にとって、差別やヘイトを肯定する養分になりかねないのだ。

だって野党のことを「特定アジアからの刺客」とか思い込んでる連中だから。

野党とマスゴミによる反日洗脳とか真面目に考えてる連中だから。

 

そんな輩がこの映画を見たら

「日本を守るために安倍政権を擁護しなければ」

みたいなことになります。

安倍政権の不祥事はどう考えても自業自得なんですけど。

野党がいつもうるさいせいで貴重な国会の時間を無駄にしていると思っている。

逃げなかったらすぐ終わる話なんですけどね。

「ナチスに英国を侵略される」と抵抗したチャーチルと同じく

「特定アジアに献金をもらってる野党に日本が侵略される!」

と思えば、中国、韓国、北朝鮮だけでなく、

ただ真実を追求しようとしている野党に抵抗する口実になるだろう。

でもお前らが抵抗の対象にしているのは証拠の全くない妄想の産物なんだ。

しかも献金やグルメ接待をしてるのは現政権のほうだろう。

献金やグルメ接待により政権擁護をする「総理のお友達」、その発言をテレビで見たリテラシーの低い人たち、メディアによる政権擁護・事実の隠蔽、それですら「フェイクニュースだ!」という、現実とファンタジーの見分けのつかないネトウヨのおかげでこの政権はもっているのだ。

またヒトラーはユダヤ人を

優生学にならって、劣等民族として絶滅させようとした男だ。

健全でクリーンな社会を目指して、ユダヤ人を狩った。

つまり「韓国人は穢れた血」「これだから中国は」

とかほざいているネトウヨと一緒なんですよね。

お前らの信じてることはヒトラー側のことで、

チャーチルの敵なんだよ。

ユダヤ人を殲滅させようとしたヒトラーと同じで、

「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と

自分たちと同じ考え以外のものを殲滅させようとするような輩から

英国を守るためにチャーチルは屈しなかったんだよ。

と言っておきたい。

おすすめの記事