「ピーターラビット」はファミリー映画ではなく全年齢指定の〇〇映画だ!マジで狂ってるぞ!

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ピーターラビット初の実写映画である。

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しかし映画の情報を日頃から収集している人にとって、この映画がハートウォーミングなファミリー映画ではないということはわかりきっている。この映画が海外で公開した際、とある炎上騒動を起こしたし、試写会で見た人からは「人間とウサギの殺し合い」といった感想ばかりだし、一筋縄ではいかないことは結構有名だ。子供に安心して見せられるとか、デートに無難なチョイスとか、そんな映画ではない。

邪悪なウサギと人間の戦争映画である。

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あらすじ

ピーターは世界で一番幸せなウサギ。たくさんの仲間に囲まれ、画家のビアという心優しい大親友もいる。亡き両親のことを想うと寂しいけれど、ビアの存在がすべてを吹き飛ばしてくれる。ところがある日、大都会ロンドンから潔癖症で動物嫌いのマグレガーが隣に引っ越してきたことで、ピーターの生活は一変!今までの幸せを守りたいピーターと、あの手この手で動物たちを追い払おうとするマグレガーとの争いはエスカレート。さらにビアへの“恋心”も絡まって思わぬ大事件に発展!ピーターはあるミッションを秘めて、初めてのロンドンへ向かうのだが——。

もうこれなかなかトチ狂った映画なんじゃないか?と思い見に行ったが、期待してたよりもかなり面白かったです。でも間違いなくハートウォーミングなファミリー向け映画ではない。

ケンカするほど仲がいい?

1月頃、この映画の存在が世間で認知されだしたとき、とあるツイートがバズった。

もうこの時点で僕は思った。「この映画、トムとジェリーみたいなやつだな」と。この海外版予告を見てそう思った人は多いだろう。とはいえ日本語版でもヒントがあって、「ケンカするほど、好きになる」というキャッチコピーがトムとジェリーでよく使われる「ケンカするほど仲がいい」を彷彿とさせるのだ。

また試写会で見た評論家の柳下毅一郎さんもこんなツイートをしていた。

これはなかなか期待できるぞ...

炎上騒動

また、こんなことも話題になった。


アレルギーを軽率に扱ったということで炎上した。マクレガーがブラックベリーアレルギーということを利用して、ブラックベリーで攻撃、発作が発症してもがき苦しんでるところを冗談として撮ってるとのこと。
こりゃひでえ。なんて映画だ...そう思いながらも今回見に行った。

オープニング

教育アニメの始まりのように、のどかな自然の中を飛び回る小鳥たちが楽しそうに歌っている。子ども向けミュージカルによくある流れだ。だが歌いながら地上すれすれまで下降したときにピーターからタックルをくらう。「ごめんよ!」とピーターは言いながらそのままダッシュ。まあこれは予告編でもあるから知ってる人は知ってると思う。
そしてナレーション「この映画は教育的なものではありません」
わかりきってるけど言っちゃったよ!教育的なものと思って子ども連れてきた親御さんはどんな顔すればいいんだよ!
ただの子ども向け映画とは思えない。それもそのはず、この作品は戦争映画だ。

戦争映画

さっきから僕はなぜこの映画のことを戦争映画だと言っているのか。この映画の戦闘シーンは戦争映画を参考に作られたからだ。
この映画が影響を受けた作品はスピルバーグの「プライベート・ライアン」。今もなおリスペクトされる名作映画で、劇場でリアルな戦場を体験させることに特化したかのような作品。そのためバイオレントなシーンが続く。

「『バンビ』よりも『プライベート・ライアン』のように展開させたい」

と監督が述べていることからもわかるとおり、ウサギたちと人間の殺し合いが幕を開ける。グロテスクではないけどやってることはとてつもなくバイオレントな戦闘が続く。

このウサギたち、なかなか邪悪だ。もう最初のシーンだから言っちゃうけど、宿敵のケツに人参をぶっ刺そうとするくらいはっちゃけてる。
そんなウサギたちに畑を荒らされまくったマクレガーが用意したものは電流鉄線にダイナマイト。どんな手段もいとわない。ただこの極悪ウサギたちを殺るためにあらゆる手段を使う。使う武器が子ども向け映画とは思えない。
ピーターはそれに対抗する。たとえそれが、見ている観客がドン引きするようなものであっても。

ブラックベリー・アレルギー

マクレガーの弱点を知ったピーターは、第四の壁を破り映画を見ている観客にある発言をする。あんまり記憶が鮮明じゃないから詳しくは書けないんだけど、「食物アレルギーに配慮した発言」をするのだ。不快に思ったらごめんね的な。このウサギ、食物アレルギーを軽視してはいけないことをちゃんとわかっているのだ。またこの発言は、後に起こることの予言ともとれる。

で、問題のシーン。マクレガーの口にブラックベリーが命中。薬を出そうとしながらぶっ倒れる。極悪ウサギは歓喜の声をあげる。
このブラックすぎるシーンに多くの観客は「ええ...」とドン引きするかもしれないが笑ってしまう。食物アレルギーをバカにしているんじゃなくて、こんな邪悪なことをして「やったぜ!」って言ってる極悪ウサギたちに対してである。
炎上騒動のニュースを聞いたときは「こんなとこでツメが甘かったらだめだって...」と思っていた。でもこの映画は教育映画ではない。戦争映画だ。戦争では人間の醜いところも露骨に現れる。

ということを考えると、この描写はそこまで悪いとは思えてこない。ガチな殺し合いの中ではそんなことを考慮する余裕なんてないから。戦争なんだこれは。卑怯でも相手を殺害すれば問題ないのだ。

ラストはなんか道徳的に正しい終わり方をするけど、全然教育的じゃない。
だけど学校では教えてくれない人間の醜さを知ることができるトチ狂った過激作だ!
最近刺激が足りない人は見に行ったほうがいいぞ!

 

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