「シェイプ・オブ・ウォーター」<br>傑作だから見て!酷評はすべてシカトしろ!

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シェイプ・オブ・ウォーター

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凄かった...開始1時間くらいずっと涙目でしたよ。
僕は「パンズ・ラビリンス」より好きでした。

あらすじ

1962年、アメリカ。政府の極秘研究所に勤めるイライザは、
秘かに運び込まれた不思議な生きものを見てしまう。
アマゾンの奥地で神のように崇められていたという“彼”の奇妙だが、
どこか魅惑的な姿に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んで会いに行くようになる。
子供の頃のトラウマで声が出せないイライザだったが、
“彼”とのコミュニケーションに言葉は必要なかった。
音楽とダンスに手話、そして熱い眼差しで二人の心が通い始めた時、
イライザは“彼”が間もなく国家の威信をかけた実験の犠牲になると知る─。

(公式より引用)

「君の名は。」

全然ほかの作品見れてないし、

俺が言っていい言葉じゃないと思うんだけど、

これって新海誠監督でいう「君の名は。」みたいなもんだと思うんですよね。

クセの強めな監督が撮った万人におすすめできる作品だ。

まだ「言の葉の庭」も「デビルズ・バックボーン」も

観れてない状態でいうのもあれなんですけどね。

「パンズ・ラビリンス」はアクが強かったですけど、

今回の作品、ものすごくわかりやすいです。

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オープニング

オープニング。始まった瞬間に泣きそうになった。

なんでなんだろう。

なんか映像や音楽とナレーションだけで泣けてくるんですよね。

高橋ヨシキさんがテレビで「シザーハンズ」紹介する時に言ってた

「映画の内容全然知らなかったけど、このオープニング始まった瞬間泣きそうになった」(うろ覚えだけど)

っていう状態はこれなのかもしんない。

ロマンティックな音楽と美しい映像とともに声をもたない二人が心を通じ合わせる様、

前半一時間くらい、ほんとに、ずっと泣きそうでした。

後半が泣けないってわけじゃないんですけど、特に前半の畳みかけに圧倒されるんですよね。

映像だけじゃなくて音楽もすごくよくて、アカデミー賞獲るのも納得です。

酷評意見はシカトしろ!!!


内容はラブストーリーかつ政治的でいろいろと凄い映画。

でもなぜか酷評してる人もいる。

監督のよさが薄まったと感じたりいろいろあってガチな評論してる人はいいんだけど
評価されてる映画をディスりたがる中二病もいる。
「君の名は。」のときもそんな人が多かった。

確かに「パンズ・ラビリンス」の時の過激さは少々薄まったような気もする。

まあでも...ちょっと違うだろ...って思った酷評意見もあるんですよね。

ちょっと挙げてみます。

 

1.展開が読める

この映画を展開が読めるかどうか気にして見てないんだけどさ。

まあでもいいや、展開が読めるんなら逆にすごいんですよ。

展開が読めるということは皆の聞きなじみがあるようなストーリーを踏襲しているわけですよね。

明らかにストーリーは「美女と野獣」のアンチテーゼですし、

ヒロインは「人魚姫」を彷彿させるようなキャラクターです。

でもそれにうまく今のネタを盛り込んでいる。

完全にドナルド・トランプのようなマイケル・シャノン。

彼から発せられる壁・クソ(溜め)のようなフレーズ。

自分たちが神(もしくは神から選ばれし者)と考える白人至上主義。

身障者、黒人、ユダヤ人、LGBTQ、低所得者差別。

この映画で描かれていることはリアルタイムで起きていることだ。

でもそれを2010年代のアメリカで描くと露骨すぎるから

「ヘアスプレー」でも描かれた1960年代のボルチモアの風景にあてはめているんですよね。

2.マイケルシャノンの役が中身のないただの悪。

さっきも書いたけど元ネタトランプだからね。

制作側がトランプに対してそんな感じと思ってるってだけですよ。
というか実はいいやつと思われるような人だったらこんな世の中になってないですよ。

3.ポリコレうざい。意識高すぎ。

これに関してはもう意味不明。

デルトロはメキシコ系移民で、映画が好きなマイノリティだった。

だから自分たち弱者が勝利するような映画を作りたかった。

心のきれいな怪獣が人間に殺されることが気に食わなかった彼は、少年時代に怪獣がヒロインと結ばれる漫画を描いた。

昔からずっと思い続けたことを今回映画にでき、自費も出して完成させた念願の企画だった。

という企画なんですけど、ちゃんと知ってるんですかね?

あと今までだとこんな内容の映画絶対見向きもされてないですよ。

ハリウッドで一番の名誉とされるアカデミー賞は

「ムーンライト」がとるまでずっとポリコレじゃなかったんですよ。

あの作品が受賞したのは賞の歴史を少しでも知ってたら驚愕の出来事なんですよ。

LGBTQ系の映画は、「ブロークバックマウンテン」が作品賞を獲れなくて、

最近でもあれだけレベルの高い「キャロル」もノミネートすらされなくて。

だが昨年ドナルド・トランプが意味不明な政策をしだすような世の中になったから

「ズートピア」や「セールスマン」のような作品が受賞した。

トランプ政権じゃなくても「ズートピア」は多分獲ってただろうけど。

イラン映画である後者の監督のアスガー・ファルハディーと

主演女優のタラネ・アリドゥスティは

入国制限命令にボイコットし、式を欠席した。

そしてびっくりするほどアカデミー賞向きじゃなかった「ムーンライト」が受賞した。

LGBTQと黒人という二重ですよ。

映画製作に携わってる人が好きそうな「ラ・ラ・ランド」じゃなくて

この作品が受賞したと聞いたときほんとにびっくりしましたよ。

今回の「シェイプ・オブ・ウォーター」もびっくりするほどアカデミー賞向きじゃない。

怪獣映画でグロテスクかつエロティック。

だがその中に描かれているのは今まで差別され続けてきたマイノリティの逆襲の話だ。

時代をうまく反映している。

「シン・ゴジラ」が批評家たちにも絶賛されたのと同じですよ。

「シン・ゴジラ」を見て、なんでラストあからさまに原発事故みたいになってるの?って疑問に思うのと同じです。

ブームとかじゃなくて、7年前の震災から今もなお、現在進行形で起こってることなんだよ!

震災と復興の話を描いたら意識高すぎてうざいとか思わないでしょ。

僕は滅茶苦茶感動しましたし、アカデミー賞獲ってよかったと思うんだけど、
みんなが感動するわけじゃないんですね......。
でも大体そんな人ってポリコレガーとか言ってますよね。
そんなやつに向けてこの映画は作られてねぇんだよ!
好き嫌いは別れるんでしょうけど好きな人はスクリーンで見ないと後悔するレベルなので是非見てください。必見です。

ちょっとわかりづらいネタについて

マイケル・シャノンが読んでる本について。

「シャノンも頑張ってるんだよ、かわいそうに思えるんだよ。ポジティブになれる本を読んで、努力してるんだよ。」

みたいなレビューがあった。

マイケル・シャノンのキャラクターが完全にレイシストだから、

彼の発言を聞いていてもかわいそうと思う人は

少々レイシストの気があるんじゃないかとも思うんですけど。

まあでもこのレビューは否定派にしてはまだまともです。

シャノンが読んでる本「ポジティブ思考」について。

パンフの記事やたまむすびの紹介で町山智浩さんがおっしゃってたんですけど、

これトランプの愛読書ですね。

あとマクドナルド創業者のレイ・クロックの。

「弱肉強食で勝つやつだけが偉い」という超新自由主義的な考えの本。

「貧しいのは甘え」みたいなね。最近もこんな発言して炎上したやついたな。

それが白人至上主義と結びついてるんですよね。この考えと相性が非常にいい。

だから「生活保護は甘え」ツイートにいいねしてるネトウヨは

「中国韓国は下賤な血筋、日本人こそ世界最強の民族だ。」

と偉そうにするやつが多くて、それが反ユダヤの陰謀論と結びついたりする。

映画の話に戻りますけどまああれっすよ。

嫌な上司がワタミの本読んでるみたいな感じですよ。

そう考えたら嫌でしょこれ。

というか町山さんのたまむすびの紹介だけで勘違い酷評レビューだいたい論破できるわ...
やっぱすげえわ......。

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